内容説明
「人と動物のかかわりは環境問題」「人と動物との関係は、人と人との関係の実験的シミュレーション」「生きものは『理解する』のではなく『共鳴』するもの」と語る養老孟司氏をはじめ、動物病院のカウンセラー、医師、獣医師といった専門家が、動物とのかかわり、動物のいのち、さらに人間の心について考える。
目次
1 メンタルサポート―医療と獣医療の現場から(動物医療現場でのソーシャルワーカーの仕事と役割―人間のこころとペットロス;精神科医から見た人とペットのかかわり―人間のこころとペットの関係;獣医療の進歩と飼い主の苦悩―治療法の選択と年齢の狭間で―動物のいのちと向き合う;動物のいのちをどう考えるか―パネルディスカッション)
2 ひとの暮らしにかかわる動物たち(都市家族におけるペットの役割―ペットは間違いなく「家族の一員」;医療と動物―実験用マウスを中心に;食としての動物;生きものをどう理解するか ほか)
著者等紹介
養老孟司[ヨウロウタケシ]
1937年神奈川県鎌倉市生まれ。医学博士。東京大学医学部卒業。1995年東京大学医学部教授を退官。1996年より北里大学大学院教授。東京大学名誉教授。専門は解剖学
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感想・レビュー
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kri
3
もうすぐ愛犬を亡くしそうな妹がいる。ペットロスは私も5年前に享年18才のワンコを亡くして経験済みだが、最後の最後まで普通に生きようとする姿は病室のベッドにいた父、覚悟を決めていた高齢の父を見るよりも辛かった。何故ひとはペットの死にこれほど打ちのめされるのか。探る思いでこの本を読んでみたが…思惑とは異なる本だった。編者の養老孟司は生き物全体のシステムを理解することの重要性とか、人間が言葉を持ったことで個々の違いを度外視して枠にはめてしまった害についてとか、とても興味深い話(講演)をしているが…2020/01/04
laili
1
女性の方がペットへの愛情が強く、下手したら家族をなくすよりペットロスの方がストレスが高い、というのは納得。。やはり犬を飼うには失う時に自分が耐えられるかというのは強く考えないといけないと感じました。。一人じゃ受け止めきれないな。。多頭飼いするか実家の近くで育てるか。。自分より必ず先にいってしまうからこそ、愛し愛され、幸せな時間をたくさん共有できるのかも。2021/04/11