出版社内容情報
『トム・ソーヤの冒険』『『パレアナ』『小公子』等日本でもなじみの深い名作の舞台と背景を解説、あの名作をもっと深く知る1冊!
内容説明
19世紀から20世紀半ば~アメリカ・子どもの本の黄金時代…物語に会いにいこう!!児童書の背景をひもとく、ビジュアルブック。
目次
第1章 19世紀ヤンキー文学とその周辺(若草物語;アンクル=トムの小屋;トム・ソーヤーの冒険 ほか)
第2章 19世紀後半~開拓者たち(大草原の小さな家;仔鹿物語;いちごつみの少女 フロリダの白い家 ほか)
第3章 孤児の文学(あしながおじさん;続あしながおじさん;少女レベッカ ほか)
著者等紹介
ちばかおり[チバカオリ]
福岡県柳川市生まれ。児童書を中心に編集、デザインに携わる傍ら、『ハイジ』『若草物語』などの海外児童文学の研究、聞き取り、実地調査を重ねている。児童書出版社を経て現在フリー
野海侑[ノウミユウ]
書籍制作の傍ら、『アルプスの少女ハイジ』『若草物語』『はるかなるわがラスカル』など、物語の舞台となった場所の取材を重ね、旅と児童文学をテーマに執筆活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
63
とても充実した内容で、興味深く読みました。貴重な原本の挿絵も満載。白人の移民から始まるアメリカという国が持つ多様性が、子供向けの物語にも色濃く反映されているのが良く分かる。当時の暮らしぶりや価値観、社会情勢が説明され、作家の出自や生活環境が作品に強く影響を与えているのも面白い。印象的なのは、「若草物語」のオルコットが「ハックルベリー・フィンの冒険」を子供に有害な本として痛烈に批判していたこと。まあ、分からなくもないけれど笑。「子供が楽しめるもの」に対するふたりの作家の考え方の違いが面白い。2022/04/21
ごへいもち
27
飛ばし読み。ウェブスター@足長おじさんは名門ヴァッサー出ながら孤児などの社会福祉に関心。孤児を乗せて西に向かう途中の駅ごとに労働力を求める人たちに売られて行く「孤児列車」。児童書の挿絵、ノーマンロックウェルは際立つ。図書館を女子が利用できるのは1日に1時間だけ、本が読めるのはどんなに嬉しかっただろう2022/04/25
くみ
14
「若草物語」や「トムソーヤ」など現在も読み継がれているアメリカ児童文学。始まりは19世紀半ばの東部から。その後、開拓、奴隷制など社会情勢を背景にして数々の作品が生まれた。この本で紹介のある作品はどれも骨太でじっくり読みたいと思う物ばかり。中でも「ハックルベリーフィンの冒険」は未読なので、これはぜひ読んでおきたい。そしていつか胆力つけて「アンクルトムの小屋」を手に取りたい。2022/07/03
はるき
14
懐かしい本あり、新しい発見在り。子供の頃から親しんできた本でも、背景を知るとまた味わいが違います。2022/06/11
kenitirokikuti
12
図書館にて。河出書房新社のふくろうの本だけど、2022年1月刊行と新しいものである。アメリカのクラシックな児童文学作品が約30作取り上げられている。若草、トム、仔鹿、ラスカル、あしなが、アン、ポリアンナ、シートンなどは日本でアニメ化され、大草原の小さな家、レベッカなどは実写のドラマで。自分はこれらの映像化作品と、児童向けにリライトされた世界文学全集などで親しんだ。現在では…アメリカにとっても19世紀の風物は憧憬よりも批判を呼ぶような印象を受ける2022/02/15