出版社内容情報
甘くもの哀しい乙女像で「昭和」を駆け抜けた東郷青児。代表的作品、洋菓子店の包み紙から本の装釘まで。ロマンティックな意匠満載!
内容説明
デパート、洋菓子店、カフェーetc.かつて昭和の暮らしの其処彼処を彩った、センチメンタルな乙女像。あの頃の幸福な記憶と共に、私たちを甘く切なく誘惑した詩的でロマンティックな意匠を集めました。
目次
第1章 雑貨デザイン
第2章 装釘本
第3章 絵と人生
第4章 ゆかりのお店を訪ねて
第5章 包装紙ギャラリー
第6章 エッセイ&マンガ
第7章 東郷たまみさんインタビュー
モダンガール讀本
著者等紹介
野崎泉[ノザキイズミ]
編集者、ライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マカロニ マカロン
8
個人の感想です:B。読書会『色ざんげ』(宇野千代)関連本。西新宿のSOMPO美術館で何度か展覧会を見たことがあるが、こんなに三股、四股と女性と浮名を流していることは知らなかった。本書では絵画以外に、飾り皿、燐寸箱、化粧品の容器、喫茶店やデパートの内装、洋菓子店の包装紙、本の装釘(ママ)など様々な作品、デザインが見られる。さらに、エッセイや氏の恋愛関係などとても興味深いものが収められている。キュビズムの影響を色濃く感じる作品が多い。2020/11/12
遠い日
4
増補新装版。アンニュイでエロティック、可憐でどこか背徳の匂いのする女性たち。幼い頃感じた小暗い大人の世界は、真正面から見てはいけないような魅力をたたえていた。2020/11/18
ぺんぐぃん
1
図書館で表紙を見て「朝日会館の壁画だ!」と、即借り出し。小学校の頃から馴染みのランドマークだった。名前は知っていたが、こんなにモテ男だとは知らなかったし、デザイナーでもあったことは知っていたが、マンガ、小説、翻訳、装幀、映画出演まで多才だったとは知らなかった。フルカラー資料満載の贅沢な内容、多角的な取材は読みごたえがある。その人脈や「ミロンガ・ヌオーバ」にゆかりが有った事、私の大好きな「ソワレ」の紹介、そして青児が70歳過ぎてからトゥアレグ族のテントで過ごしたことなど、はっとするようなエピソードが楽しい。2020/09/27
ワタナベ読書愛
0
テレビ番組「美の巨人たち」を見て興味を持った画家。専用の美術館までできた昭和の最先端ファッションを牽引した画家。喫茶店や洋菓子の包み紙、広告など庶民の目の触れるところにも気軽に作品を提供し多くの仕事を成した。その貴重な作品や著作、イラストなども一同にまとめた。本人の様子と作品から受ける印象がずいぶん乖離していて興味深い。画家の複雑な心理、繊細な感性を感じることができる。昭和の女子の心をわしづかみにしたデザインは、今見るとずいぶん可憐で上品。無垢な少女と妖艶な色気が合わさった独自の世界は他では真似できない。2021/01/07
三井寿里
0
十代で竹久夢二の下絵描きをしたとか、二十代で渡欧してピカソに教えを受けたとか、出てくる名前がそうそうたる顔ぶれで、エピソードを読んでいるだけで楽しめました。「大衆に愛されるわかりやすい芸術」を追い求めた東郷青児。お菓子屋さんの包装紙で長く愛され、使い続けられているのは、その証と言えるのでは。2020/10/12