出版社内容情報
古代史への接続、南島論、地名研究など、民俗学の枠を超えた「谷川民俗学」の全貌に迫る。色川大吉・赤坂憲雄対談他。
目次
特別対談 色川大吉・赤坂憲雄 最後の民俗学者―谷川民俗学とは何か
エッセイ(父谷川健一のこと(谷川章雄)
歌人谷川健一―『海の夫人』を読む(水原紫苑) ほか)
谷川民俗学への招待(谷川民俗学10のキーテーマ(金田久璋)
谷川健一主要ブックガイド20(金子遊) ほか)
谷川健一対談コレクション(「青」と「白」の世界(宮田登)
柳田国男と折口信夫(後藤総一郎) ほか)
評論(「青」のフォークロア(畑中章宏)
大いなる戦中派民俗学者の軌跡―常世と他界をめぐって(高澤秀次) ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きいち
20
「民俗学は神と人間と自然の交渉の学である」この本の巻頭に掲げられた谷川のこの定義、考えてみたら本当に谷川らしい気がする。「神と人間」「人間と自然」だけじゃなく「神と自然」の学でもあるのだから。詩的な直観を育てることができた歌人ならでは、同じように博覧強記で現場に足を運んでそこに暮らす人の実感を大切にしていても、「風土記日本」で谷川自身が世に出した宮本常一とはその文章も対談ぶりも大分異なる。◇福岡にいたとき、縁あって谷川が晩年組織していた「青の会」の会員になった。直接お会いすることが叶わなかったのが残念。2015/02/18
うえ
7
「谷川 アニミズムというのは非常にくっつきやすいんです。…魂がいろんなふうにくっつく、あるいは人間と獣がくっつく。それは婚姻という形で一番はっきり出るわけです…そういうサイクルをつくったのは非常にけっこうな話なんだけれども、柳田さんの場合はくっつきやすいところだけが強調されてきたんじゃないか…折口さんの場合はそこがくっつかないで、疎外されたり分離されたりというところにメスを入れていっているというところで、折口の学のほうがより近代的な意味合いを持つと思うんです。つまり神と人と精霊が対立し、相互を疎外する。」2020/10/08
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- 和書
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