目次
石牟礼道子全集未収録エッセイ(水俣から蘇りのための標しを;原田先生のご遺言)
座談 原点を書く(石牟礼道子;佐多稲子;土本典昭)
討議 たましい(魂・anima)への旅(石牟礼道子;伊藤洋典;岩岡中正;宮本久雄)
生命の痛々しい感覚と言葉(渡辺京二)
水俣と言葉の力(池澤夏樹)
三十八億年の生命の願い(緒方正人)
いのちはいのち―石牟礼さんを読む(最首悟)
わだっだっ、おおおわだっ、わだっだっ。(町田康)
死に負けない「生きる」行為―『アニマの鳥』(伊藤比呂美)
美しさようなあかかしゃん(季村敏夫)〔ほか〕
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シュシュ
23
石牟礼さんの作品の深さを改めて感じた。伊藤比呂美さんの「(石牟礼さんの文は)バーチャルリアリティを経験するシステムにほうりこまれた感じ」という言葉に共感。感じる作品なのだ。「あんたは悶え加勢しよるとね。昔は水俣にもあったとよ。人が苦しんでいるときに、その人の家の前を行ったり来たりして、何もできないけど、一緒にいるでしょう、悶えて加勢する。それで救われるとたい」という水俣の相思社の人が石牟礼さんに述べた言葉がよかった。悶え加勢することは特別な人でなくてもできるし、それが一番大切なことだと思う。 2017/11/19
おおた
14
冒頭の全集未収録エッセイだけでも読んで欲しい。方言の豊かさというのは土地の歴史と人すべてを表す音であり、一人の文学者がどう逆立ちしても作り出すことのできない世界を呼び表すことができることばなのだと分かるはず。本書は石牟礼道子がいかなる人なのか、文学者や社会学者たちのエッセイが中心。わたしの場合は、もうちょっと本人の著書を読んでからとりかかるべきだったかとも思うが、逆に石牟礼道子について書く人の著書にも興味がわいた。2016/06/10
ショア
3
渡辺京二氏が気になり手に取ったら冒頭の石牟礼道子さん本人のエッセイに一瞬で魅了された 豊かな文章に郷土の方言があいまってあたかもその場にいるような感覚を与えてくれる2022/01/24
カネコ
3
○2014/08/13
林克也
0
石牟礼道子とは、”宗教(適切な言葉ではないが)”の根源なのだと思った。勿論、既存の宗教のように営利を目的としない”宗教”の。 ところで、こういう本を出すにあたり、石牟礼さんを絶賛する人、感化された人ばかりではなく、批判する人(もしいれば、)の文章も載せると、より深く理解できるのではないか。2013/06/27