目次
エッセイ(生涯現役の学徒;大樹・中村元先生 ほか)
対談 中村元博士を語る―偉大な学者偉大な人間―インド学から世界思想への道
論考(中村先生の個性とその仏教学の永遠に反駁を許さぬ存在意義について;この巨大な思考 ほか)
中村元コレクション(アメリカ精神と仏教思想;靖国問題と宗教 ほか)
はじめての人のための中村学入門(中村元先生のインド古代史研究について;中村元先生と近・現代インド思想 ほか)
中村元ブックガイド
年譜
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マウンテンゴリラ
2
偉大な学者にして、偉大な人格者。一昔前には、このような日本人もいたのだという、素直な感想を抱いた。故人の著作は、初期仏教に関するものを何冊か読んだことがあるが、私のような一般人にも非常にわかりやすい平易な文章で、しかも、本当に学者先生が書いた本かと思われるほど、ある意味、主観的な情熱のようなものが感じられるものであった。このことからも、客観的であることだけが、学問としての成立要件であるのではなく、特に、人文系の学問では、資料解釈などの緻密性はもちろんのこと、それを踏まえたうえでの主観性の発揮も、→(2)2020/01/30
舟江
2
素晴らしい本であった。大乗仏教の堕落させた要因の一つが、禁じられた陀羅尼(呪句)を唱える事であったという説、空に一つの思想としての形を与え、意識的に提起したのは、龍樹であるという等々。目から鱗が落ちる本であった。2016/12/01