内容説明
古地図が語る世界像の変遷。人類は世界をどう描いてきたか。比類のない古地図収蔵館・神戸市立博物館のコレクションほか名品・優品を集成。古地図には、できた時代の情報が凝縮されている。読み込むことは、その時代の歴史を読みとることにもなる。今ではなくなってしまった町名や、建物の名前などを昔の地図に発見すると、その時代に生きていた自分の姿までが記憶の中から甦ってくる。さらにもっと過去の時代にも入り込め、当時の人々の描いていた地理像を知ることもできる。そして、美しさもあわせもつ、それが古地図である。本書では主として神戸市立博物館に所蔵される古地図の中から世界図を選び出し、昔の人々がイメージし、描いてきた世界の姿をたどりたい。
目次
1 西洋との接触―日本人の世界発見
2 屏風になった世界地図
3 出版された世界図
4 マテオ・リッチ世界地図とその影響
5 蘭学の発達と世界地図
6 ペリー来航と幕末の世界地図ブーム