内容説明
日本史がもっとおもしろくなる!大正政変から普通選挙法の成立までの歴史。近代国家となり、国際社会の一員となった日本に、世界情勢の波が押し寄せて、大衆をつき動かす。外国との関わりもよくわかる!
目次
序章(民衆の存在感が高まった時代)
第1章 護憲運動が活発化(新しい天皇と新しい時代;大正元年の帝国議会 ほか)
第2章 世界大戦の影響(十数年ぶりの再登板;世界大戦が勃発 ほか)
第3章 政党内閣への期待(大戦が終わってから軍備拡張;各国の思惑がうごめく講和会議 ほか)
第4章 国民の選挙権が拡大(無一文から出直して首相に;次の首相候補は加藤と加藤 ほか)
著者等紹介
大石学[オオイシマナブ]
1953年、東京都生まれ。東京学芸大学名誉教授。NHK大河ドラマ『新選組!』『篤姫』『龍馬伝』『八重の桜』『花燃ゆ』『西郷どん』等の時代考証を担当。2009年、時代考証学会を設立、同会会長、静岡市歴史博物館館長を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みさと
4
明治と昭和の間に埋もれてなんとなく存在感のない大正だが、第一次大戦を挟んで世界が大激動した時期と重なり、日本も完全に別な国となるほどに変化した時代であった。都市化の進行に伴い、サラリーマンなど新中間層が登場。教育は官吏となるためでなく教養と人格を深めるためのものとなり、家のために決められた結婚をするのではなく自由な恋愛が求められたり、メディアや娯楽が発達し、民主化・大衆化が求められた。現代の原型が形作られた時代であった。しかし、関東大震災で激変、過激な政府批判が高まり反動が荒れ狂う。これは現代への予言か。2025/03/04
Moish
4
45年続いた明治時代に対し、15年しかない大正時代。『明治時代』よりもページ数は少ないが、3分の1の期間のできごとをほぼ同量にまとめているから、当然、内容は濃くなる。印象としては、「関東大震災のインパクト」と「毎年のように首相が変わる落ち着かない時代」に尽きる。後者は、のちの政党政治につながる「生みの苦しみ」ということなのだろうけど、その成果が現在、はやくも爛熟してしまっていることが、返す返す惜しい。短い大正時代の中にも、注目したい出来事、イベントがいろいろあった。特に、大正初期の公爵・徳川家達。2025/02/02
Humbaba
2
時代が変わるにつれて、その時の当り前もまた変化していく。実際に暮らしているときには変化すると言っても一気に変わるわけではないのでその変化の大きさに気づきにくいことはあるかもしれないが、後から振り返ってみれば非常に大きな変化だったことに気づくことになるだろう。短い時間で大きく変わったこそ様々な軋轢があり、国内だけでなく国外も見なければいけないため難しい状況でもあった。2025/04/12
パチーノ
2
短い大正時代。首相がコロコロ変わり落ち着かない政治。今に残るものの源流がここにあるように思った。2025/01/17
Go Extreme
1
国民の自由と権利が拡大・平和や民主主義の理想追求の取り組みが行われた時代 大正天皇即位ー1912年 第一次世界大戦の影響 大正デモクラシー 米騒動: 1918年・富山県 原敬内閣の成立ー1918年 シベリア出兵 女性の社会進出ー文化面での変化顕著 関東大震災ー1923年 普選運動の進展 第一次護憲運動 科学技術の進歩ー鉄道発展やラジオ放送開始 文化の多様化ー歌舞伎や映画人気 都市の発展ー電灯普及率向上 国際連盟加盟: 教育の普及 労働運動の活発化 芸術の発展ーモダンアートや文学運動 社会福祉の充実2025/01/09