出版社内容情報
江戸時代とはいったいどんな時代か。徳川政権の歩みを、図やイラストを使ってわかりやすく、同時代の世界情勢も含めていねいに。
内容説明
265年にわたる「平和」とは何だったのか?現代日本の礎を築いた15人の将軍と稀有な人材たちの政治とは?日本史がもっとおもしろくなる!徳川家康から慶喜までの歴史。
目次
第1章 江戸時代を支えた体制づくり―家康~家綱(1603~1680)(戦国の勝者は誰だ?―関ヶ原の戦い;“戦国再来”との戦い―江戸幕府の成立 ほか)
第2章 動揺と改革の江戸中期―支配体制の安定化(1680~1745)(「平和」は儲かる―江戸の経済発展;綱吉はただの動物好きか?―“犬将軍”の実像 ほか)
第3章 揺れはじめた幕府の支配―三人の老中の悲哀(1745~1843)(目立たぬ将軍の功績―徳川家重;赤字を防ぐための利益第一主義―田沼意次 ほか)
第4章 江戸幕府の終わり―開国と戦乱の時代(1843~1867)(幕末思想の源泉―諸学問の発展;開国か攘夷か―動揺する幕府 ほか)
著者等紹介
大石学[オオイシマナブ]
1953年、東京都生まれ。東京学芸大学名誉教授。NHK大河ドラマ『新選組!』『篤姫』『龍馬伝』『八重の桜』『花燃ゆ』『西郷どん』等の時代考証を担当。2009年、時代考証学会を設立、同会会長を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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b☆h
37
学生時代、最も苦手だった科目、歴史。その苦手意識と歴史の内容がほとんど頭に入ってないこともあって、時代小説にほとんど手を出せずにいる現状。それでも、人情を軸とした時代小説に触れることが時々あって、もう少し理解したいと手に取った一冊。学生の頃は、〝何でこんな似た名前ばっかり…〟と苦々しく思っていたが、今改めて見ると時代を象徴するような漢字(家格を重視するから家とか)が多いことに気づく。起こった出来事だけじゃなく、背景も知ることでストーリーになるのも合ってたようで、興味深く読めた。これをとっかかりにしたい。2022/06/29
マイアミ
8
★★★ 普通の歴史書でした。受験で日本史を受ける学生なら多少参考になるかもしれません。受験しない一般人からするとウーム、物足りなさを感じてしまった。ただ昨今の研究で代々の将軍たちの評価が見直されているのは興味を持てた。研究者といえどもバイアスは避けられず、小説やドラマの影響を受けているといことなのか? まあ坂本龍馬が司馬遼太郎大先生のおかけで過大評価されているのは間違いないが。2022/10/01
みさと
5
ところどころに「そのころ、世界では?」という記事をはさみながら世界史の中における日本史という編集で、戦国争乱の中の家康による江戸幕府開府から、慶喜による大政奉還、戊辰戦争による幕府滅亡までを一気に語る。かつて考えられていた「江戸時代=遅れた抑圧的・差別的社会」に対して「明治時代=進んだ近代社会」という構図は取らない。むしろ江戸時代こそ上層階級から庶民に至るまで広く学問が行き渡った「日本型文明」発展の基礎を固めた時代だと説く。15人の将軍と重臣たちの活躍とその時代の特徴を一言で説明する、授業のネタ本的内容。2022/02/24
すうさん
4
「戦国時代」「幕末」に続き大石学の一冊でわかるシリーズ完読。最近は井沢元彦の逆説シリーズで通史を読み続けているので、時代全般(通史)を読むと時代の細部の話を読んだときにとても理解が進む。250年もある凸凹しながらも安定した時代が続いた江戸時代だからこそ、「勤勉」「和の精神」「礼儀規律」の日本人の特徴が表れ、逆に「主体性のなさ」「前例主義」「男女の格差」も露呈した。ある意味公家や大名だけの時代から平民の特徴もより鮮明になり、文化や風習などが社会に根付いてきた。つまり「日本的な価値観」が明確になったのだ。2023/10/15
noko
3
江戸の将軍の治世がわかる。秀忠は厳しい人だった。松平忠輝は合戦に遅刻、彼の家臣が長坂信時を殺害→松平忠輝流刑される。松平忠直、福島正則、本多正純も秀忠に処分されている。家光は生まれながらの将軍。参勤交代を制度化、キリシタン弾圧、日光東照宮建設等、専制政治化して権力を集中させたが、彼自身は病弱だった。歴史家の意見が割れがちな、鎖国については、段階を踏んで解説されている。1635年頃から特に出入国が厳しくなる。しかしオランダ、中国、朝鮮とは貿易があり管理をしていたので、鎖国していたとは言えないと主張している。2024/01/04