内容説明
ノスタルジアとは何か。起源への遡及、あるいは始源への欲望。知のフィールドを疾走する、著者が物語を始動させて止まない力の源泉を、さまざまな角度から語る、辛口の随筆集。
目次
1 ノスタルジア(タルコフスキーにおけるノスタルジア;蒐集行為礼讃;切手蒐集について;ドナルド・エヴァンス小論;ポストカードの秘かな愉しみ;路上観察の学;ビートルズと風景の喪失;石子順造のために)
2 極大極小と嘘言(ソシュールとスウィフト;外骨、スウィフト、中野好夫;エル・グレコと真贋の秋;新しい贋札)
3 メリエスの閾(挨及劇場物語―若き日のメリエス;魔術師のふりをした魔術師―メリエスよりウェルズへ)
4 疾走と省察(未完成であることの意味―高橋悠治;自己引用するコッペリア―如月小春;母性からの逃走―戸川純;ウォークマンとは何か―細川周平との論争;ハーレクイン・ロマンス;ロラン・バルトとブリア・サヴァラン;大岡昇平とルル)〔ほか〕