出版社内容情報
楽天記/忿翁 解説=島田雅彦
ブロッホ、ムジールなどの翻訳を経て、作家に。『杳子』で芥川賞を受賞。『栖』で日本文学大賞を、『槿』で谷崎潤一郎賞を、『中山坂』で川端康成賞を受賞。『仮往生伝試文』で読売文学賞を受賞。
内容説明
不意に口を開ける異界の亀裂。狂気と変身を孕んだ強烈なユーモア。風景や物の気配の濃密で微細な描写。平凡な日常に隠れている生と死の狭間を描く著者円熟の二作品。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山がち
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「楽天記」の関谷との会話は妙に印象的である。疫病の話もそうだが、待っている人もそうかもしれない。とても二十代の男とは思えないし、読み進めているうちに誰が話しているのかが全く分からなくなってくる。関谷との会話に限らず、そもそも人と人の会話が相当印象的なのかもしれない。奈倉との会話だってそうだ。あの手紙のやり取りも、酒を飲みながらの会話も、尋常のものではない。正直、全体を通して全く読めないと思わされるほどの届かない文章なのだけれども、このような会話の部分ばかりは何故か記憶に残っているというのはどういうことか。2013/03/20
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