目次
犬狼都市陽物神譚
マドンナの真珠
毒薬の手帖(古代人は知っていた;血みどろのロオマ宮廷;マンドラゴラの幻想;ボルジア家の天才;聖バルテルミイの夜;ふしぎな解毒剤 ほか)
補遺 1962‐63年(哲学小説・エロティック革命;東野芳明『パスポートNO.328309』;伊達男とズボン;エロティシズム断章 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
∃.狂茶党
20
月報は、妹さんその2。 妹や妻に依存して、基本的なことができない龍彦。 『犬狼都市』 何度も読んでいるので、先回りしながら読んでしまう。 『毒薬の手帖』 エピソード集なのでいささか散漫なところもある、『黒魔術の手帖』と比較して全体としての話がないのだ。 補遺 小説などいろいろ。 『人形塚』は、比較的最近読んでる2024/06/12
梟をめぐる読書
10
『毒薬の手帖』を中心に、1962年-63年まで発表の文章を収める。所収エッセイに「あらゆるユートピアには遊びの部分がある」とあるが、この「遊び」の精神によって現実社会の〈外側〉に書物の楽園を築かんとした澁澤自身がまた稀代のユートピストであったことは言うを俟たない。ただし『毒薬の手帖』最後の章が二〇世紀の環境破壊やテロリズムの問題について充てられているように、この時期には未だ手探りの部分もあったのだろう。水俣病について記した〈付記〉が後の版では削除されていたことは初めて知ったが、この異同もまた興味深い。2013/04/28
crow
2
「人形塚」★★★2024/06/09
季奈
0
『犬狼都市』や『マドンナの真珠』などの佳作の初期小説から、手帳シリーズの二つ目『毒薬の手帳』が収録されている。 『毒薬の手帳』はルネサンス期のボルジア家が用いた毒薬から、近代の帝銀事件など、時系列に化学史のページをめくっていく。 これが、単なる毒薬の発展史ではなく、使用者の得体の知れない悪意に焦点を当て、解剖しているのだから面白い。 小説にはマンディアルグのパスティーシュである『犬狼都市 』などは風変わりな娘の心理描写を卓越した表現で書いていたが、ヘリオガバルスをモデルとした『陽物神譚』は評論チックだった2020/07/06
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