渋沢龍彦全集〈1〉

渋沢龍彦全集〈1〉

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  • サイズ A5判/ページ数 498p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784309706511
  • NDC分類 918.68
  • Cコード C0395

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

∃.狂茶党

24
澁澤の母による証言が、収められている。 これは澁澤龍彦当人にとっては、死ぬほど恥ずかしいことではないのだろうか。 『エピクロスの肋骨』『サド復活』など収録。 初期作品であるがゆえに、のちの作品よりも熱っぽいように思える。 澁澤を特徴付けるものは、この最初期の小説集と、最初のエッセイ集で、出揃っているように思う。2024/05/15

白義

18
革命的、というのは即ち反動的ということであり、人間が積み上げてきた倫理的営み、文明の虚飾を全て剥ぎ取り、剥き出しの世界を称揚する点において、究極の革命と究極の反動は破壊的な反人間、反現実性において一致する。ゆえに、真の革命も反動も、本当は文学以外には不可能で、現実の事件はそのパロディ的な反復にすぎないとすら言えるかもしれない。まさしくそのような暗黒の革命思想の中心にサドを置き、ケチな世間道徳に満ちた社会に暗黒の文学史の復権を目論んだ「サド復活」と、その周辺のテキストが収録されている2013/12/28

梟をめぐる読書

15
初の著書である『サド復活』を中心に、異端文学の紹介者として、またアナーキーな革命思想の伝道師としての役割を多分に意識していた六〇年代前夜の頃の文章を収める。今読むとその博覧強記ばかりでなく文体そのものから発散される異様なほどの熱量に驚かされるが、恐らくは時代的な空気の影響もあったのだろう。そうして澁澤は文中で「夜の住人」に属する作家を多数召喚する一方で、かつその系譜にひっそりと自身の存在を連ねることも忘れない。「ところで、私自身は原稿書きと不眠症のため、ついぞ朝というものを知らない人間なのである。……」。2013/04/24

藤月はな(灯れ松明の火)

15
「エピクロスの肋骨」などの幻想小説やサド研究における隠匿の文化への考察を収録しています。サド研究は精神分析や人間の本性と思相的インポテツへの冷笑など多角的に論じています。文学青年の先輩が「フランス文学翻訳で素晴らしいのは澁澤龍彦と堀口大學」と仰っていた理由がこの本にありました。フランス語を第二外国語として学んでいないのですが単語の意味や作者の当時のことを考えて流麗に翻訳しているのに美意識を感じました。2012/03/23

白うさぎ

2
澁澤龍彦の博覧狂気ぶりには驚かされる。サドが自身の作品を永遠のものにするために、自ら獄中に入り、監獄の中で作品を作り出したことを、その思想と共に論じた『サド復活』。これが処女作とは思えない。未だに異端を評じた作家で澁澤の右に出るものはいないだろう。まさしく狂気を論理性をもって語る筆致は素晴らしい。他にも、コクトーや、ジャン・ジュネ等を紹介している。文才と言うことばはまさしく澁澤のためにある言葉だ。1巻だけではなく続刊も読みたい。澁澤と言う天才がいたことを知ってよかった。2013/12/10

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