内容説明
「七色もみじの大木」とよばれる一本のオオカエデを一年間、定点撮影した美しい写真絵本。
著者等紹介
佐々木博之[ササキヒロユキ]
操上和美・浅井慎平両氏に師事。コマーシャルを中心に活躍。1997年より上記プロジェクトに参加、「緑はすべての基本です」をテーマに撮影している。1947年生まれ。神奈川県海老名市在住
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感想・レビュー
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やすらぎ
144
長野県北安曇郡池田町大峰高原、標高1000mに構える、樹齢250年のかえで。10月上旬に陽の当たる方から徐々に色づき始める。台風が過ぎて暑さもおさまり、深緑から色調が紅に変わる。立冬、燃えるように染まったかと思うと、昨夜の冷気を合図に葉を落とし、大地を染める。そろそろ冬支度。もうすぐ銀世界。青く澄む空に粉雪が舞う。陽が高くなり大地が暖まれば、清明。また春が来る。…立春から大寒までの24節気を綴る定点写真集。大切に守られてきた、かえで。人々は大樹に魅せられる。季節のうつろいと共に、大切なことを教えてくれる。2021/09/12
ぶんこ
44
「緑はすべての基本です」をテーマに撮影している佐々木博之さんの、1本の大きなカエデを1年を通して撮影した本。日本古来の「二十四節気」による季節のうつろいが、見事に表現されています。大きなカエデの緑濃い葉陰が、強烈な太陽の陽射しを和らげてくれる。少しずつ彩りを変えていく紅葉。たった1本の木が与えてくれる豊かな思い。人間の作り出した辛い情景と比べてしまうと緑は偉大と痛感。2022/03/21
遠い日
10
ことばはなく、1本の楓の大木を定点観測した写真集。日本独特の季節の暦、二十四節気ごとに映した楓の姿から12の写真を編んだ作品。楓の葉の色や繁り具合から季節が動いていくようすが、美しく切り取られている。巻末には二十四節気の節目ごとに取った24枚の写真全てが載せられて、それを見るとよりよく季節の動きがわかる。1本の木のこんなにも豊かな表情に、魅せられる。2014/10/08