内容説明
私たちが抱く欲望や快楽の「悪さ」とは何か?私たちの生活を取り囲む資本主義とどう向き合えばよいのか?アイドル、トランプ現象、萌え絵、武道、自炊…より良い生と市民社会を実現するためのヒントは「真面目」な政治的領域だけでなく、「不真面目」な「ファン」に目を向けることで見えてくる。まったく新しい「ファン研究」入門書。
目次
第1部 欲望と快楽を育てよう(あなたの欲望を大切にしよう;感じたことを誰かに話してみよう;欲望に形を与えよう;人に教えたり教えてもらったりしよう;「キモい」自分を生きよう)
第2部 「現実」を二次創作しよう(システムにゲリラ戦をしかけよう;支配欲を変形させよう;英雄のいない世界を作ろう;自炊して盗み、盗まれよう;楽しい殺し合いができる相手を育てよう)
著者等紹介
渡部宏樹[ワタベコウキ]
筑波大学人文社会系助教、マレーシア校勤務。南カリフォルニア大学にて映画メディア研究の博士号取得。専門は表象文化論、ファン研究。日本のポピュラー・コンテンツについての論文も多数発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
てん06
16
とある読書会の課題図書になっているので読んだ。目次を見ると非常に面白そうで期待して読んだのだが、読むと私にはレベルが高かったのか、よくわからないなあで終わってしまった。この目次でこの内容を語るのか…という感じで、この本は何について書くと言っていたんだっけ?と初めに戻ること数度。全体的に「本当にそうなの?」と思うこと多く終わった。読書会のレポートどうしよう。2025/12/26
どら猫さとっち
15
たまたまポリタスTVを観ていたら、著者が登場して本書の趣旨を語っていて、気になって読んでみた。ファン社会、おおよそは推しについてのものだが、アイドルやアニメに留まらず、近年は選挙にもフィールドを広げている。好きをものにすること、ファンの欲望が二次創作となる過程が面白い。推し選挙も、こうしたメカニズムで発展するのか。興味深い本だが、推し活とは程遠い存在にいる僕には理解できない部分もあり、なんか釈然としない。2025/10/19
かんがく
11
ファン(推し活)を軸に、二次創作、聖地巡礼、異世界転生、陰謀論などをテーマにしつつ、フェミニズムやポストコロニアリズムの学説を引用して、「欲望」「暴力」「資本主義」などについて分析していく。概念を整理した前半は面白かったが、時事問題多めに扱った後半はちょっと散らかっているように感じた。2025/06/02
マンデリン
3
ファン研究というディシプリンの知見から「推し活」を中心に現代カルチャーについて様々な面から論じた著作。他者という記号を利用することなしに自分の主体性や欲望を成り立たせることが原理的には不可能な人間のあり方、著者はそれを「根源的な悪さ」と呼びつつも、その悪さとのつきあい方を論じていきます。 後半の章は「いま何でこの話を読まされているんだっけ……?」と思いつつ読むことが何度かありましたが、AO3やオバマガールの話など、個々の話題に興味深い話はたくさんありました。2025/06/08
tb
2
これまで読んできた推し活関連の本の中で最も示唆に富み興味深かった。資本主義のメカニズム。欲望と快楽の構造。参加型文化とカルトとの距離。虚構の世界に投影する自身の理想の世界。異世界転生における植民地主義的快楽。「現実」というフィクションを通して生きること。記号の操作による暴力性。うまく飲み込めないままの概念もあるけど、考え続けていこうと思った。「楽しい推し活」って難しいな〜。2026/03/30




