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出版社内容情報
新しい空間表現で郷愁を誘う「東京名所図」をはじめ、幅広いジャンルを手がけ、独自の画境を築いた清親の魅力を一冊に。オールカラー
内容説明
光線画の魔術師、江戸情緒と文明開化、郷愁とハイカラをわたりゆく―詩情豊かな“東京名所図”から、花鳥・動物画、戯画・風刺画、歴史・戦争画、美人画まで…斬新な空間表現と多彩な画業を一冊に。
目次
「東京名所図」光線画の誕生
浮世絵師デビュー作
文明開化の東京風景
花鳥動物画
戯画・諷刺画
歴史画
戦争画
美人画
風景画ふたたび
肉筆画
“光線画”の継承者 井上安治 小倉柳村
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆか
23
大学三年の時近代文学の教授が「木下杢太郎も読んだことないのは、日本文学科にいる資格無し」的なことを仰っておりました。読まねばと思ったものの、その後授業で杢太郎が出ることはなく、日々の課題や読みたい本に終われ読まないまま卒業。三年前伊東で記念館を通り過ぎた時、教授の言葉がよみがえったのですが、文学に興味のない主人によりたいと言い出せず、通り過ぎてしまいました。そして今日この本でまた杢太郎と出会いました。「パンの会の詩人たち(白秋、光太郎、杢太郎等)は、清親の「東京名所図」に西洋文明に馴染んでゆく明治の曙光→2018/09/11
3月うさぎᕱ⑅ᕱ゛
16
以前、日曜美術館で愛弟子である井上安治が取り上げられていて、安治の作品に心惹かれた。小林清親は幕末から明治時代に浮世絵師として作品を残してきた。暁や夕暮れ、夜の風景画がとても素敵で、温かさや郷愁も感じさせる。明治の東京名所の作品がとても好き。光線画の魔術師と帯にある。風景画の構図や遠くの景色の細かい描写もきれい。美人画や戦争画、歴史画なども清親らしさが見れるのか、風刺画はタイプではなかったけど。 時々、東京名所の風景画をみて心満たされたい。2020/09/12
Tadashi_N
13
写真と浮世絵の間に、光線画があった。2023/02/03
A
3
以前から気になっていた絵師の本が安くなっていて衝動買いしてしまった。小林清親にはコミカルな風刺画のイメージがあまり無かったが、いろんな絵を描いていたみたい。それにしても彼の夜景画は素敵すぎて何度見ても見惚れてしまう、もう称賛の言葉も出てこない、メロメロ。本書で紹介されていた小倉柳村の絵も好きだったので調べてみたい。 『画布に猫』を見て思ったが、画家に限らず芸術家気質の人間というのは猫が好きな性分なのだろうか。2020/08/07
kaz
1
好きかどうかはともかく、東京名所図等に見られる光線画は写真のようにも見え、江戸の浮世絵とは質的に異なる。ほのかな光の具合がよく表現できるものだと思う。なお、文明開化の時代背景のためか、風景にあえて電線を入れているように見えるのが面白い。花鳥動物画は、まさに油絵。木版で、よくもこのような表現ができるものだと感心する。風刺のきいたポンチ絵は、素直に楽しい。2018/01/31