内容説明
殺人の発作に苛まれた狂人との常軌を逸した日々、そして、新たな時代への蘇生と旅立ち。香気あふれる明晰な文体、反俗精神がささえる洗練された人間風刺とエロチシズム―理想の現代語訳でよみがえる。ブルームズベリー・グループの代表作家が残した傑作群。
著者等紹介
ガーネット,デイヴィッド[ガーネット,デイヴィッド][Garnett,David]
1892.3.9‐1981.2.17。イギリスの作家。文学の名門ガーネット家に生まれる。ロンドンの王立科学専門学校で植物学を専攻。第一次大戦が起きると良心的兵役拒否者としてヴァネッサ・ベルやダンカン・グラントと農耕生活にいそしみ、ブルームズベリー・グループの一員となった
池央耿[イケヒロアキ]
1940年東京都生れ。1964年国際基督教大学教養学部人文科学科卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ペグ
46
図書館にて。久しぶりに東江さんの訳本が読みたくなり探していた時、ふと目にとまった池 央耿さんの名前。それがデヴィッド ガーネット「ビーニー アイ」でした。ウィリアム モリスの壁紙を配した静かな佇まいの装丁に惹かれ早速読みました。ヴィクトリア女王崩御と共に新しい時代へと変わりつつあるイギリス。人間の良心とは?狂気とは?作者の誠実な人々への眼差し。フランク オコナーに似た手触りを感じました。暫くこの作家を追ってみようと思います。2017/04/03
ロルカ
1
一人称の主体が変わったり、三人称になったりと不安定な感じに最初違和感を覚えるが、なれるとまあこれでもいいかと感じてしまうから不思議。文体の面白さもあるが、時代感や人物描写が実にいい。当時のにおいが手触りのように感じられる。2012/03/08