内容説明
日本では家族の一員として可愛がられるペットがいる一方、飼い主の都合で捨てられてしまうペットが少なくありません。見放されたペットはどうなるのか?私たちの責任も含めて考えてみましょう。
目次
序章 日本は動物愛護にあふれた国なのか?
第1章 最期まで飼うということ
第2章 なぜペットが殺されるのか?
第3章 捨てられたペットが殺されるとき
第4章 ペットと動物のはざまで
第5章 多様なペットと向き合ってみて
終章 絶望から見出す希望
著者等紹介
小林照幸[コバヤシテルユキ]
1968年長野県生まれ。ノンフィクション作家。明治薬科大学在学中の1992年、奄美・沖縄に生息するハブの血清造りに心血を注いだ医学者を描いた『毒蛇』(TBSブリタニカ・文春文庫)で第1回開高健賞奨励賞を受賞。1999年、終戦直後から佐渡でトキの保護に取り組んだ人々を描いた『朱鷺(トキ)の遺言』(中央公論新社・中公文庫)で第30回大宅壮一ノンフィクション賞を当時、同賞史上最年少で受賞。信州大学経済学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
290
著者の小林照幸はノンフィクション・ライター。いろんなジャンルを手掛けているが、今回は「14歳の世渡り術」シリーズの一環で本書を書いている。こうした制約のせいか、文体はやや硬く、時として教訓めいた調子に陥ったりもしている。2010年の出版物なので、統計はいささか古いが、2008年時点では飼育されている犬と猫の総数は約2700万匹だとのこと。そして、なんと殺処分される犬が84264匹、猫が202228匹にもなるそうだ。意外にも猫の方が多いのである。いずれにしても驚くべき数字である。2024/07/06
Aya Murakami
82
医者になりたい君への裏紹介 。図書館本。 ペットの殺処分に限らず、普段食べているお肉のために殺される家畜さんたち、捨てられた末に病死餓死していく犬猫たち。仮に生き残ったとしても害獣として生態系に悪影響を与えてしまう元ペットたち。人間どもの悪行の数々にはため息が出ますね。 後、中国の犬肉についても言及されていた。犬肉文化のおかげで野良犬がいないのだとか…。じつは犬肉にかんしてはいつか食べてみたいと思っていたところです。ちなみに台湾では同じ理由でカラスがいないのだとか。2023/09/02
ゆみきーにゃ
50
《図書館》最後に書かれている著者の提案はすごく勉強になりました。命の尊さと向き合える一冊でした。世界中の動物が幸せに暮らせる世界になりますように。2015/01/29
たまきら
38
いやはや、もちろん母が説明をしましたが、娘さんがここまで食いつくとは思いませんでした。付箋だらけです。特にドリームボックスについてはその本を探してほしいとのこと。ううむ。とにかく非常に簡潔に、そして系列だてて内容が整理されていて読みやすく、しかも内容が濃い!感情を込めつつも押し付けがましくなく、「こういう問題があって僕は本当に何かすべきだと思ってる。君はどう思う?」というスタンスです。動物を「買い」たいと思っているお子さんがいる家庭にぜひまずはお勧めしたい本です。2019/07/25
kinkin
25
本書に書かれていたこと。「身近な犬や猫すら満足に飼育できているといえない日本人がやれ自然保護だ、地球温暖化を防止しなければ、などと語る資格は果たしてあるのだろうか?」現在はドリームボックスという美しい名前の設備で二酸化炭素をつかって殺処分をおこなっているという。旧ナチスドイツの収容所と同じ事が動物に対して行われている現実から目を背けてはいけないと感じた。2014/04/23