内容説明
本書は、「脳、快楽、五感」がテーマである。まず、全体の序章として、脳と身体の問題圏をめぐる哲学と解剖学の対話から始める。第一章は、脳研究の成果を踏まえたうえで、脳についてより突っ込んだ議論を紹介する。第二章は、快楽について考える。快楽とはそもそも何であるか。気持ちいいと感じるのは、身体のどの部分か。あるいは、脳の内部のできごとにすぎないのか。人間における快楽の問題は、身体を考えるうえできわめて重要な示唆を与えてくれる。第三章は、五感を考察する。とりわけここでは、共通感覚あるいは五感の交通論という考え方にそって考えた。