内容説明
女はもう一人前の大人なのに、その歴史的経過から見て「まだバカ」でしかないのだからしょうがない、これは教育というものを必要とする。だから今、学ぼうとするまともなインテリジェンスは“女の知性”の中にしか存在しない。しかし若者というのは小型の男、“完成の一歩手前の未熟な男”である。別の言い方をすれば、“所詮チンケな男権主義者”である。橋本治の正しい挑発、過激なテレオマ。
目次
青年に与える言葉
長篇短篇エッセー サラリーマンなんか大っ嫌エだ
サブカルチャーの不思議
文学じゃないゴセンブ―大友克洋『GOOD WEATHER』
マンガの古典化はありうるか
谷岡ヤスジは天才なんだもんね
生活なき時代の新聞漫画―植田まさし『コボちゃん』
ロットリングで描くマンガ―ひさうちみちおの『人生の並木道』
少女漫画のヒロインと“内面の陥没”―美内すずえ『ガラスの仮面の連載再開
少女マンガは存在する―マンガ文化のありか
おーい、ゆみこさん、オシッコ!―なんきんの四コマ漫画
子供に、なる
マイナーに受ける
媚びる
当世豚に真珠考
橋本治のGOROGORO
題名をつけたくない―そう思われるのが正解だと思われるある事柄について〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
amanon
1
本書が出て早三十年以上。その間に若者を巡る事情もだいぶ変わったな…と思うことしきり(もちろん、変わらない要素もあるが)。その一方で、「若者たちよ!」と冠しているにも関わらず、その内容の幅の広さというか雑多さに驚かされる。そして、その中である時は若者を諦観し、またある時は挑発し、あるいは冷笑し…いちいちその語り口に引き込まれる。でも橋本氏の著書あるあるだが、「結局この人何が言いたいんだろう?」と煙に巻かれる気になること数知れず(笑)。氏の物書きとしての特異性は、まだまだ語られるべき要素があり過ぎると痛感。2022/04/14