出版社内容情報
任那日本府と伽耶諸国の実態とは?半島に出兵を繰り返した朝廷の目的とは?ベールに包まれた古代日本の野望を解明!
内容説明
かつて「任那日本府」があったとされる「加耶」とは、どのような地域だったのか。百済、新羅、高句麗が激しく競い合う朝鮮半島。その地にヤマト政権はどんな野望をいだき、どう介入していったのか。その過程から浮かび上がる、日本文化の意外なルーツとは…。
目次
序章 古代日本と朝鮮半島南端は一つの文化圏だった
1章 加耶諸国二五〇年の謎をどのように解くか
2章 考古資料から浮かび上がった加耶と倭国の新事実
3章 伽耶の四つの文化圏は倭国にどう影響したか
4章 半島の勢力争いに乗じて勢力を拡げたヤマト政権
5章 加耶諸国の分裂と海を渡った倭国の人々
6章 加耶の滅亡と任那日本府の実相とは
7章 土器や習俗から見た古代朝鮮文化と日本
8章 積極外交を推し進めた聖徳太子の野望とは
終章 中大兄皇子の外交失政と白村江の戦い
著者等紹介
武光誠[タケミツマコト]
1950年、山口県生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。同大学院博士課程修了。文学博士。2019年3月に明治学院大学教授を定年で退職。専攻は日本古代史、歴史哲学。比較文化的視点を用いた幅広い観点から日本の思想・文化の研究に取り組む一方、飽くなき探究心で広範な分野にわたる執筆活動を展開している。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Go Extreme
1
古代の日朝関係・日本文化のルーツ: 加耶は任那日本府がおかれた・倭国と深いつながり 4世紀・倭国と加耶との交流 加耶こそは弥生文化のふるさと 古代日本と朝鮮半島南端は一つの文化圏だった 加耶諸国250から浮かび上がった加耶と倭国の新事実 伽耶の四つの文化圏は倭国にどう影響したか 半島の勢力争いに乗じて勢力を拡げたヤマト政権 加耶諸国の分裂と海を渡った倭国の人々 加耶の滅亡と任那日本府の実相とは 土器や習俗から見た古代朝鮮文化と日本 積極外交を推し進めた聖徳太子の野望とは 中大兄皇子の外交失政と白村江の戦い2024/08/28
読書男子
1
古代の日本、そして朝鮮半島についての最新の見解がが説明されている。子供の頃に習った時は加耶や任那に日本府があったとぼんやりとした感じだったと記憶しているが、とても分かりやすくまとめられていてワクワクしながら読んだ。 古墳時代前期から聖徳太子の外交や大化の改新に繋がる連続した時代背景が分かってとても面白かった。2022/05/26
ひろP
1
古代史に定評がある元明治学院大学教授の武光 誠氏の著書。同氏の『古墳解読』は非常に名著であったことを記憶しております。今回は主『任那日本府』の記述に力の入った本になっています。1970年代日本書紀や好太王碑文等からヤマト政権が支配していたと習いましたが、その後その見方はほぼ否定され、最近韓国南部『伽耶』での前方後円墳の発見や土器、銅矛、ベンガラ等発掘等で、またヤマト政権との密接な関係が少しずつ解明されつつあります。伽耶と任那日本府の関係を考古資料を通じて推論し、仮説を展開しています。また聖徳太子が外交交2022/03/06
Teo
1
古代の朝鮮半島南端への日本の関与は、私が子供の頃は任那日本府があったけど失われました程度の知識だったが、その後そんなものは無かったと言う完全否定などを経て、じゃあ実際今はどんな発掘知識などが得られているのかと言うのが本書を買った理由。以前から古代は海での移動の方が楽だったから対岸との繋がりがかなりあったとは言われていたが、一方で軍事力で制圧するのはやはり陸上からの軍の移動だなとこの本で感じた。2021/08/27
Junko Yamamoto
0
日本が半島と決別するプロセスであった。古代から半島は複雑で「手を出さない方がいい」との判断は正しかったのだろう。 日本人(倭人)が未分化の弥生時代のことがもっと知りたくなった。2021/07/13