内容説明
「彼は薩摩だから」「やっぱり会津人か」…。こうした物言いは、生まれ育った地域と人柄には相関関係があることを意味する。全国の各地方独特の気質を「藩」という枠組みで捉え直し、そのルーツや生成された経緯を明らかにした待望の書。
目次
1章 天下の大藩・雄藩で独自の気風は、いかに育ったか―例えば、薩摩「ぼっけもん」の源は、狩猟民族的な気質と「郷中」にあり(加賀の藩民性(石川県金沢)―代々の“狸寝入り”が育んだ独自の気質とは
薩摩の藩民性(鹿児島県鹿児島)―狩猟民族的な気質と「郷中」が「ぼっけもん」を生んだ ほか)
2章 歴史・時代小説を彩った有名藩の気質をさぐる―例えば、米沢人は鷹山公も手を焼いたほど「そんぴん」(長州の藩民性(山口県萩)―長年の“ゆがみ”が「ねつい」長州気質を生んだ
土佐の藩民性(高知県高知)―「いごっそう」「はちきん」を育んだ独特の藩史 ほか)
3章 時代、政治、因縁…がつくりあげた独特の藩民性―例えば、南部藩民が津軽、仙台と仲が悪いわけ(津軽の藩民性(青森県弘前)―本当はエネルギッシュで積極的な「じょっぱり」気質
南部の藩民性(岩手県盛岡)―南部モンは、なぜ伊達モンや津軽モンと仲が悪いのか ほか)
4章 よそにはない風土や文化があの人柄・お国柄を生んだ―例えば、なぜ久留米では人気者が続々誕生するのか(久留米の藩民性(福岡県久留米)―「にあがりもん」の要領のよさが、多くの人気者を生む
島原の藩民性(長崎県島原)―幾多の困難にも負けない「がまだす」のルーツとは ほか)
感想・レビュー
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つぁ
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知人が本を処分するというので、タイトルが気になったこの本をいただいて読みました。 私は東京近郊で生まれ育ち、県民性とはあまり縁のない生活をしていると思います。この本を読んだところで県民性が実感できるようになったわけではないけど、藩やそれよりも前の時代に遡って書いてあるのがとても面白かったです。たった150年前まで藩だったわけだし、歴史の浅い廃藩置県後の県だけで県民性が語れるわけないよな。 通勤途中にサラッと読めて、とてもよかったです。初めてお会いする人の出身地を聞いて、こっそりこの本を開くかも。2013/07/22