内容説明
かつてヨーロッパに、その壮麗で優美なイメージとはまるで異なる、人間の陰惨な欲望が爆発した“狂気の時代”があった。教科書には載せられない生々しい史実と、当時の人々の行動を支配した恐るべき価値観とは?封印された“闇の歴史”を掘り起こす書。
目次
1 想像を絶する「魔女狩り」の狂気とその背景―密告、拷問、処刑…何が人々を“暴走”に駆り立てたのか(“ふつうの人”がある日、突然“魔女”に仕立てあげられる恐怖―魔女裁判の密告制度;魔女か否かは、いかに“判定”されたか―魔女審査と神明裁判 ほか)
2 「死」と「病」と「戦争」をめぐる血みどろの惨劇―悲鳴と激痛の“医術”と、殺戮の実態とは(ヨーロッパ全土を覆い尽くす腐臭に満ちた屍たち―ペスト(黒死病)の猛威
“神の罰”と恐れられた病は、どこからやってきたのか―梅毒の歴史と仰天の治療法 ほか)
3 中世の街角と庶民たちの歪んだ暗部―衛生事情、性の実態…“暗黒時代”の日常・風俗を覗く(西欧は、糞尿とゴミに埋め尽くされた“におう大陸”だった―想像を絶する衛生事情;物乞いは、社会が認めた“職業”だった―中世の貧困層の実態 ほか)
4 「聖書」と「神話」が西洋人に刻みこんだ“命”の意味―その信仰心から、血塗られた歴史の“深層”が見えてくる(神はなぜ、自らが創造した人間たちを“消去”してしまうのか―世界中にある洪水伝説;神が創った最初の人間が「男」で、その後「女」が創られる不思議―人類創造神話の共通点 ほか)
5 キリスト教が歩んだ凄惨な歴史といくたの「伝説」の謎―ユダヤ人迫害、マリア信仰、聖杯伝説…西洋の“心の歴史”を掘り起こす(キリスト教徒たちはなぜ、大迫害に対し“無抵抗”を貫いたのか―「殉教者」が果たした役割;ユダヤ人が手にしたパンは、ほんとうに“血を流した”か―ユダヤ人を迫害するキリスト教徒の“矛盾” ほか)
著者等紹介
池上英洋[イケガミヒデヒロ]
1967年、広島県生まれ。東京芸術大学卒業、同大学院修了。専門は西洋美術史。恵泉女学園大学准教授。2007年の「レオナルド・ダ・ヴィンチ―天才の実像」展での日本側監修者。レオナルド・ダ・ヴィンチをはじめ、中世からバロック時代の芸術家の分析を通じて、社会構造や思想背景を明らかにする方法に定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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