内容説明
新渡戸『武士道』から抜け落ちた、重大な観点とは?「潔く死ぬ」という精神は、武士道の本質なのか?武士の起こりにまで遡って検証すれば、江戸期以後、為政者によって意図的に歪められた武士道の、意外な全容が明らかになる。誤解に満ちた武士道を、気鋭の学者が探求する。
目次
プロローグ 武士道の「実像と虚像」をいま明らかにす
1章 新渡戸『武士道』の正しい読み方1―「義」「勇」「仁」…武士の精神のかたちとは
2章 新渡戸『武士道』の正しい読み方2―日本人の心「大和魂」と武士道の関係
3章 語られなかった武士道の核心―農村領主の道義として生まれた武士道
4章 太平の世の武士の実相―幕藩体制は武士道をこうして歪めていった…
5章 武士道書の古典を読み解く―『五輪書』『葉隠』…は真の武士道を伝えたか
6章 武士なき時代の武士道と日本人―武士道が近代日本にもたらした光と影
エピローグ 「和の心」として現代人に生きる武士道
著者等紹介
武光誠[タケミツマコト]
1950年、山口県生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。同大学院博士課程修了。現在、明治学院大学教授。専攻は日本史。歴史哲学。比較文化的視野を用いた幅広い観点から日本の思想・文化の研究に取り組む一方、飽くなき探究心で広範な分野にわたる執筆活動を展開している
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感想・レビュー
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mec
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★2016/08/19
タツフジ
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葉隠は読んだことがないが、「武士道と云うは、死ぬことと見附たり」はしっている。いままでの自分の解釈とは違い、臆病卑怯で生き残るのなら死を選ぶべきだとの下りが新鮮。 新戸部稲造が紹介した、義勇仁礼誠名誉忠義を覚える事ができたのもうれしい!2016/02/22
keisuke
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前半部分の新渡戸稲造の武士道の解説が分かりやすかった。その後の持論の展開も納得できる。2014/06/06
yabu
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実用 ★★★★:切腹は自分に非が無い事の証明。お腹に心とか大事なものが集まっているという考えからそれら全てをさらすことで、名前に泥を塗ることなく死ぬことが出来る。など。武士道は知っておくべき。すごくかっこいい。日本人でよかった。