出版社内容情報
合戦や人事や物資運搬…日々、判断を迫られた戦国武将。彼らは何を見て行動を決したのか? 現場感覚から読み解く!
内容説明
その時、武将は何を思い、どう判断したのか?歴史考証のプロが、下剋上の世という視点に立って数々の謎を鋭く読み解く!
目次
1章 武将の生きざまのリアル(あなたが戦国武将だとしたら?;下剋上で一発逆転は可能か? ほか)
2章 合戦と武器のリアル(大名家当主は滅多に戦死しない?;合戦は農閑期を選んでおこなわれた? ほか)
3章 天下統一をめぐるリアル(長篠合戦の勝敗を分けた真の要因とは?;明智光秀の前半生は、なぜ謎なのか? ほか)
4章 築城と攻城のリアル(武田信玄は「人は石垣、人は城」と考えていたか?;水の手は城の生命線だったのか? ほか)
著者等紹介
西股総生[ニシマタフサオ]
1961年生まれ。歴史ライター。学習院大学大学院史学専攻・博士前期課程修了。大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で中世軍事考証、『真田丸』で戦国軍事考証を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蔦屋重三郎そっくりおじさん・寺
67
河出書房新社って好きだ。反権力反差別の本もよく出しているし、貴重な復刊もしたりする。その上、コンビニによく置いてあるKAWADE夢文庫に、こんな優れた著者の新刊を入れる。私はセブンイレブンの本のコーナーで著者の名前を確認して速攻購入した。大満足の良書である。歴史の良書によくあるのは、俗説や陰謀論を一次史料等で否定してクールダウンさせてくれる本が多いが、本書はクールダウンされた史実に、歴史が人間の営みであるが故の熱を注入して再加熱しているのが素晴らしい。書名通り、戦国時代人の感覚を追体験できる。おすすめ。2022/04/25
スー
20
105これは面白い!最近は武将達をイケメンに描いたり理想的な人物に書いてるけど実際は冷酷で残忍で怒りやすくプライドが高く平気で嘘を吐くもし現代に上杉謙信や織田信長がタイムスリップしてきてたらそく110番しようは笑えた。足軽は今だに謎が多い!長篠の戦いの話や本能寺の変の真相などは納得できたし家康の関東転封や蒲生氏郷や佐々成政の転封も左遷ではなく次の最前線に近かったり治めづらい地域なので能力のある人を配しただけで成政は期待に応えられなかったので切腹になっただけ目からウロコでした。2022/11/23
YONDA
13
久しぶりの西股節炸裂で、戦国時代のリアルが良くわかります。昨今のお城ランキングブームへの一撃には溜飲が下がります。2022/03/19
in medio tutissimus ibis.
1
資料を通覧していては見落としがちな、不確実性とタイムラグにあふれた当事者の視点から戦国時代を描く。本能寺の変が可能と判明したのが二日前だから毛に格的犯行は不可能とか、中国大返しは援軍が来そうにないので補給路を伝って急いで逃げたという常識的な出来事だったという大きい話から、戦況を把握する必要から戦場では鉄砲より旗指物の方が多かったという話まで。補給は現地t調達が基本なので、悠長に包囲したりせず攻城は一発勝負の速攻が基本になるという話には感心した。元寇の時も鎌倉武士はそうしていたが合理的な理由があったのかと。2022/09/20