内容説明
ウィーン体制をゆるがす自由独立の動き、混沌と渦巻く19世紀の虚像と実像を描く。
目次
ウィーンの饗宴
産業革命
自由と統一をめざして
7月の太陽
ヨーロッパの虹
新しい対立
1848年
双頭の鷲の影
リソルジメント
ドイツの統一
ヨーロッパの栄光
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スター
26
ナポレオン戦争の終了後から、19世紀アヘン戦争に至るまでのヨーロッパを描く。ナポレオンの百日天下、トルコの圧制に抵抗したギリシア人、絶対王政から民主化への流れ、それに対する反動。 ロシアの農奴解放、クリミア戦争、イタリアやドイツの統一など、近代化に至るヨーロッパの激動の時代が描破される。2025/06/06
tieckP(ティークP)
6
複数人で全体を成す「世界の歴史」は一般には個人の価値観を消して書くもので、そこに客観的な歴史が文学に勝る強みも生じると思うのだが、本書は69年に書かれたことを措いても笑ってしまうくらいの自由主義の賛歌で、登場人物はそれを基準に気持ちよいほどすっぱり善悪に分けられる。保守反動はもちろん自由主義と争うことになる民主主義にも辛口である。ただ、そういう癖を理解したうえで読めば、その善悪の構図は分かりやすく、また各国が絡み合う西洋史が自由の攻防で整理されてつながって見えてくる。情熱溢れる一冊なのは確かで記憶に残る。2019/04/09
misui
3
ウィーン体制からドイツ統一まで。オーストリアが嫌いになる。2020/01/27
フェイ
2
ナポレオン退位からパリコミューン崩壊まで。 前巻のフランス革命から引き続き、自由を求めて戦うヨーロッパ諸国民を描く。世界史でも特に7月革命→2月革命→第二共和政→ナポレオン三世になってしまうこの時代の複雑怪奇さを理解できないまま卒業してしまったが、前巻と本巻を読んで、こういう流れで革命が連鎖していったのかと納得できた。イタリア・ドイツの革命と統一も興味深い。しかし、自由を求めて戦ったヨーロッパ人も、植民地の民衆に対してはかつての貴族のように振る舞うところに、根深い人間の本性が読み取れる。2015/03/28
Takao
1
1990年1月、第1刷発行。単行本はそれ以前だとすると、30年近く前のもの。ウィーン体制からドイツ統一まで。スタンダール、フロベールなどの作品が引用されていて、読みたくなった。2015/02/04