内容説明
江戸時代の知識人たちが、折りにふれて書きとめた数多くの記録や随筆がある。そこには当時の人々が不可思議に思ったさまざまな出来事が誌され、江戸時代人のふしぎ感覚世界を語り残している。本書は、その厖大な文献の世界を渉猟した碩学が、94の話題を選び、わかりやすく語ったもの。江戸時代人の素朴な感覚・生活感情があふれた、江戸ワンダーランド案内の好著である。
目次
平蔵様
村上家の術士
親の助命
手のひらのしるし
吉益周助の見立て
竹皮包みの刀
二本松の狐
鬼瓦
田の中のさむらい
陽物を拝む
不急の鯨船〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えみ
11
読了後、最初に思ったのは日本の昔噺やイソップ物語のようだということ。善い行いをすれば良いことが…悪い行いをすれば悪いことが起こる。大体が江戸時代のもので、奇話、珍話、94話の小話が詰め込まれた面白い読み物。当時の人々が何を見て、何を聞き、何に興味を抱き、何を恐れ、何を美談としたのか。一話一話は短いものだったが、全てを読むと実に興味深く、ユーモア溢れた江戸の人々が見えてくる。信じられる話も中にはあったが、笑ってしまうような話も多々あった。もし作り話だとしても、江戸の人の考えを覗けたようで楽しい。2018/02/27