内容説明
「死に近いということ、それがわたしのパワーの源だ」。妻から贈られたMacを使い、70歳を超えた作家は水を得た魚のように書きまくる。ユーモアの源である競馬場に通い、酒を飲み、夜中にひたすら書く。サインを求める訪問者、いんちき詩人、長年の貧乏生活、骨折り仕事…。まやかしを許さず、深い洞察を貫いたユーモアあふれる哲学的エッセイ。ロバート・クラムのイラスト12点収録。
著者等紹介
ブコウスキー,チャールズ[ブコウスキー,チャールズ] [Bukowski,Charles]
1920年ドイツ生まれ。3歳でアメリカに移住。LAシティ・カレッジ中退ののち全米各地を放浪、24歳で最初の小説を発表する。その後は郵便局などに勤務しつつ創作活動をつづける。現在までに100冊におよぶ著作が刊行
クラム,ロバート[クラム,ロバート] [Crumb,Robert]
1943年アメリカ生まれ。漫画家・イラストレーター。アメリカ・オルタナティヴ・コミックの大魔王
中川五郎[ナカガワゴロウ]
1949年大阪生まれ。60年代半ばから曲作りや歌手活動を始める。現在も新曲制作・ライブ活動を継続中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はっせー
43
本書は『パルプ』などを世に産み出した作家チャールズ・ブコウスキーの晩年のエッセイとなる。日時も書いており、亡くなる3年前のエッセイだとわかる。そしてこのエッセイがすごい😆なぜなら70歳を越えた作家とは到底思えないほど書きまくる所だろう。こんなに書くの!?と思えるほどですまた文章を書いている合間にめっちゃ競馬に行く😂そして負ける。お酒を飲む。そしてまた書く。こんな感じで過ごしている!こんな70歳みたことがない!なかなかハードボイルドだなって😂2025/04/23
ベル@bell-zou
23
「糞」は"くそ"だし"ふん"でもあるのに読みながら前後の文脈でちゃんと"くそ"と"ふん"を読み分けている不思議。"くそ"は人間ので"ふん"は動物とか虫とかのそれってことだろうか。何にせよ彼のいう「糞」はほぼ"くそ"に違いなく…などと考えながら読んだのは齢70才を越えコンピューターを手に入れ溢れてくる言葉たちを軽やかに文章にする作家の日記エッセイ。競馬と酒が大好き。妻と9匹の猫と暮らし、クラッシック音楽を愛する。他人とは極力関わりたくないようだけれどもこのユーモア面白さを放っておけという方が難しいだろう。2024/09/07
さぶろうの領土
6
ブコウスキー作品を読んでいて何となく抱いていた著者の印象が、まさによく出ているエッセイ(日記)だった。やっぱりこの人の作品は、読むほどに作品そのものよりも著者の事を好きになってしまうなぁ。新装版の一連の表紙も俺は好きだね、全部揃えちゃったもん2024/12/19
とまとまと
4
原題『THE CAPTAIN IS OUT TO LUNCH AND THE SAILORS HAS TAKEN OVER THE SHIP』をよく『死をポケットに入れて』と訳したなと。この原題の訳は、最後に近い本文の中に出てくる。最初はただの作家の日記かと思ったが、競馬に没頭して間近に迫る死を忘れ、創作活動と猫に癒やされる日々が見事に綴られていて、最後まで読んでしまった。以下、心に残った言葉を。2024/12/20
金吾庄左ェ門
4
エッセイと聞いてましたが日記ですね。競馬が大好きで実家が太い詩人が大嫌いなようです。タイプライターに代わってマックを使うのは物凄く時代の先を行っていたと思います。たぶん世はMS-DOS全盛です。投げやりな発言も多いですが、人生エンジョイしていています。2024/09/16