内容説明
結ぼれ、絡みあい、こんがらかり、袋小路、支離滅裂、堂々めぐり、きずな―異才の精神科医が書きつけた、人間を束縛し円環に閉じこめる関係性の模様は、刊行から半世紀以上を経てなお真実性を湛えている。「詩人」レインの原点たる、不安で優雅な心理的寓話の書。
著者等紹介
レイン,R.D.[レイン,R.D.] [Laing,Ronald David]
1927年、イギリス生まれ。精神科医、精神分析家。1951年、グラスゴー大学医学部卒業。軍医等として勤務したのち精神分析家として開業。伝統的な精神医学を批判し、デイヴィッド・クーパーとともに反精神医学運動を提唱、ドゥルーズ=ガタリらにも影響を与えた。89年没
村上光彦[ムラカミミツヒコ]
1929年、長崎生まれ。フランス文学者、成蹊大学名誉教授。1953年、東京大学文学部仏文学科卒業。2014年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Porco
18
詩集という体裁であって決して詩などではない。ならばなんだというと、矛盾しているが言葉あるいはコミュニケーションを抽象的に論理立てたものとしか今のところ理解できない。単純化したからこそ複雑になっていく本書に、影響を受けた脱構築を唱えたデリダやラカンらが”複雑なまま複雑なことを考える”方針に舵を切ったのもこれが原因だったりするのだろうか。途中途中で読んで理解した気になっていても、結局考えがポケットに入れたイヤホンの何倍もややこしくごちゃごちゃに頭の中で結ぼれ、最終的になんなんだろうこの本?という疑問で終わる。2024/05/22
椎名
6
わかる部分もありわからない部分もあり。2024/03/07
あんかけ
3
読み終え。100p前くらいまではなんとなくわかる。14pの彼の問題の話と36pの蔑みの話が好き。誰かが存在する以上、誰かに対しての感情と、誰かから向けられる感情のループは発生する。「好き?好き?大好き?」も読んだが、作者はあまりこのループが良い方向に向かうものだと思っていないように感じた。確かに他者の信用や良心は「そうあるべき」の道徳と建前によって成り立っていて、心から誰かを想ってはいないとするとこの結ぼれ、の話になるんじゃないか。自分はもう少し人間の気持ちに対して根っこからの良性も存在すると信じたい。2024/09/21
jam
3
ごめんなさい、全然わからなかった。でもわからないからと言って嫌な感じではなく、わからないけど、いいな、という感じはした。2024/04/23
ふゆきち
3
使われている言葉は平易ながら、理解できたとは言い難い。きちんと理解しようとすると戻ってこれなさそうな気もします。2024/04/12
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