出版社内容情報
人気作家、総勢12人の創作が花開く! 日本&韓国文学の人気作家が特別寄稿した、豪華な短編集。『82年生まれ、キム・ジヨン』のチョ・ナムジュをはじめ、いま読みたい現代作家の作品を一挙掲載。
著者情報
1978年ソウル生まれ。2011年に作家デビュー。17年『82年生まれ、キム・ジヨン』で今日の作家賞を受賞。同書は韓国で130万部、日本語版が23万部を超えるベストセラーに。近著に『サハマンション』。
内容説明
ベストセラー『82年生まれ、キム・ジヨン』のチョ・ナムジュによる、夫と別れたママ友同士の愛と連帯を描いた「離婚の妖精」をはじめ、人気作家一二名の短編小説が勢揃い!「韓国・フェミニズム・日本」というお題の元に寄稿された、日本&韓国文学の最前線がわかる豪華アンソロジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
59
日韓12名の作家アンソロジー。すべての作品を理解できたとは言えませんが、共通したテーマの作品はとても面白い。日本人作家の作品の方がわかりやすいかなという印象ですが、チョ・ナムジュさんの「離婚の妖精」も印象に残りました。2024/03/09
優希
53
日本と韓国の女性作家による短編集でした。フェミニズムがテーマです。女性の強さが鮮やかに描かれ、手応えのある作品ばかりでした。同じ女性だからこそわかることが多かったですね。2022/09/12
kum
31
日韓ともにある程度読み慣れた作家陣、そしてテーマはフェミニズムということで、読みやすく共感する話も多いのだろうと思いきや、なかなか難解な作品が多かったように思う。倉本さおりさんの解説を読んではじめてこのテーマの奥深さに触れられた気がした。連帯感でくくろうとしてしまう「私たち」という言葉。でも本来は「あなた」と「私」は別のもの。「互いの言葉がもたらす隔たりを確かめあうことで、「あなた」と「私」は何度でも出会い直すことができる。その営みの繰り返しの果てに「連帯」という言葉ははじめて力を持つ」2022/11/29
Kanako
23
2024最後の読書は、韓国と日本の作家さんのアンソロジー。フェミニズムをテーマに、とはあるけれど、単一的に語れる作品群ではなく、作家さんごとにいろんなメッセージを設定して書かれているように感じた。韓国と日本の関係に焦点を当てている作品も多く、それも俯瞰した視点というよりは、とても個人的な視点から社会を見ている作品が多かった。個人的なところに社会的問題は宿るのだと考えさせられもした。2024/12/31
べる
20
「韓国・フェミニズム・日本」というお題で韓国と日本の作家が綴った短編アンソロジー。短い物語の中で今までになかった視点を得て、自分の世界が広がった感覚があった。ママ2人と子2人で暮らすことも幸せに生きていくための選択としてありだということ。「女性募集」は給料安くて業務が大したことないと表していたことと、赤いアイシャドウが復讐の色だったこと。人にファザード(他人に見せている態度や性格のアウトライン)しか見せなければ心は通わないこと。男性か女性の二択しかないことへの憤り。今の社会状況の問題を自分事に考えられた。2023/02/18