出版社内容情報
驚異的な高機能を誇る一方、あきれるほどの欠陥を抱える脳。日常や実験のエピソードを交えつつ、脳のしくみとその限界を平易に解説。
内容説明
人の名前が思い出せない、計算をするとなぜか桁がずれる、選択肢が3つあると真ん中を選んでしまう、目先の利益につられて結果的に損をする、およそ合理的とは言いがたい判断を下す…驚くべき高機能の裏で、あきれるほどの欠陥と限界(バグ)を抱える脳。そのしくみを日常の出来事や実験エピソードを交えて平易に解説。最新科学でわかる、人間は「こういうふうにできている」。
目次
はじめに 脳は今日もバグってる
第1章 ニューロンがもつれる
第2章 記憶のアップデートについていけない
第3章 場合によってはクラッシュする
第4章 時間感覚が歪む
第5章 必要以上に恐れる
第6章 無意識に不合理な判断をする
第7章 広告にすっかりだまされる
第8章 超自然的なものを信じる
第9章 脳をデバッグするということ
著者等紹介
ブオノマーノ,ディーン[ブオノマーノ,ディーン] [Buonomano,Dean]
1964年生まれ。カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)神経生物学部・心理学部教授。同脳研究所研究員。神経ネットワーク内での計算や、学習と記憶の神経基盤、脳による時間の把握と処理などを研究
柴田裕之[シバタヤスシ]
翻訳家。早稲田大学、Earlham College卒業。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホシ
17
脳の構造に関する進化論的弱点を解説します。垢抜けない翻訳調の日本語には幾分の読みにくさがありますが、とても面白い1冊でした!進化論的な弱点(=バグ)の原因は脳神経OSが現代とミスマッチを起こしている事と情報をニューロン同士の繋がりで記憶するという方式が〈混同〉などの誤りを引き起こす事にあるという内容です。そして、脳のバグを自覚することによって、弊害から身を守り、質の高い人生を送って、より成熟した文化社会の構築を目指すべきと説きます。脳の仕組みは本当に不思議なことだらけ。類書をもっと読んでみたいですね。2021/08/05
オカピー
4
脳のバグで一番身近なところは、広告のところでした。ダイヤモンド、タバコ、水、ビール・・・などなど。怖いところでは、「プロバガンダ」。バグって、「脳の勘違い、思いこまされ、刷込み」等、人間が本能的にもている物?かも。情報が氾濫している中、取捨選択し正しい判断をしなくては。2022/07/03
むむむ
3
先日、読了したバイアスとは何かに通ずるものがあった。あくまで、生き物は生きるために進化してきており、必ずしも最適解であるとは限らない。目まぐるしく変化する現代においては、何世代にもかけて行われる進化は到底追いつかない。だからこそ、このシステムを利用したマーケティングが有効となっている。 特に興味深いのは、記憶のシステムに関してであった。特定の言葉には、なんらかのイメージがつきまとう。それによって検索も速くなる。言うなれば、広範な知識を入れておくことは有効な記憶の手段なのだ。2021/07/18
読生
2
https://booklog.jp/users/toutoyo/archives/1/43094673262021/10/27
うたまる
1
「私たちが合理的な判断だとばかり思っているものは、実際にはまったく合理的でないことが多い。端的に言えば、人間の脳にはもともと向いている課題とそうでない課題があるのだ」……人類をこれほど繫栄させた高機能な脳に深刻な欠陥があることを明らかにする脳科学ノンフィクション。めちゃくちゃ面白い内容なのに、今ひとつ心が躍らない。既読済みのラマチャンドラン『脳のなかの幽霊』とイーグルマン『あなたの脳のはなし』に丸被りしているからだ。内容が良ければ何度でもときめきたい。でもそうならないのは、これも脳の野郎のせいなんだな。2022/04/23
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