出版社内容情報
パリの伝説の書店に偶然住みつくこととなった、カナダから来た元新聞記者による回想記。本好きに圧倒的支持を受けた楽しき書店物語。
内容説明
パリ左岸にある、ジョイスの『ユリシーズ』を生み出した伝説の書店、シェイクスピア・アンド・カンパニー。貧しい作家や詩人たちに食事とベッドを提供していた二代目の店に、偶然住み着くこととなった元新聞記者が、風変わりな店主や居候たちと過ごしたドキュメント。文学と恋と人生をめぐる、本好きにはこたえられない奇跡の書店の物語。
著者等紹介
マーサー,ジェレミー[マーサー,ジェレミー] [Mercer,Jeremy]
1971年、カナダ、オタワ生まれの作家、ジャーナリスト。元「オタワ・シティズン」紙記者
市川恵里[イチカワエリ]
早稲田大学第一文学部英文学専修卒。編集者を経て翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マリリン
65
あちら側にうまく適応できない人間のための場所...。最後にジョージが言った言葉が残響となり心に心地よい余韻を残す。パリの香りがする不思議な空間に惹かれる。独特だが図書館のような寺院のような生の場でもあるかのような書店の在り方が興味深い。辿り着いた人たちが語る事がなかった過去を語れる場所なのは、一見不条理と思われる日常の根底に流れる優しさが受け止め受け入れる事だからか。父と娘の物語でもある。娘のシルヴィアに引き継がれ、時代と共に変化しつつも、物書きの流れ者や芸術家が集う場所であり文化の泉であるかのように。2021/06/25
niisun
49
イーサン・ホークとジュリー・デルピー主演の『恋人までの距離』の続編『ビフォア・サンセット』で2人が再会する書店が“シェイクスピア&カンパニー書店”。あと『ミッドナイト・インパリ』で主演のオーウェン・ウィルソが書店に立ち寄る場面もありますね。映画の話ばかりで恐縮ですが、まあ、そのくらいパリでは有名な書店。本を売るだけでなく、ふらっと立ち寄った作家志望の若者達にベッドと食事を提供する一風変わった書店に実際に住み込んだ著者の回想録。モラトリアムエッセイのようでもあり、書店歴史を刻む貴重な資料の様でもありますね。2020/08/18
ばう
48
★★★パリのガイドブックにも載っているという数々の伝説を持つ名物書店シェイクスピア&カンパニー書店に滞在した著者による物語のようなノンフィクション。来るものは拒まず、貧しい作家や旅人にタダでベッドを提供する店主が90歳近くになっても子供のような心と夢を持ち続ける姿がとても魅力的。どんな所か興味が湧いて検索してみたら本に書かれている通り部屋という部屋、壁という壁が文字通り本で埋め尽くされている。但し画像には出てこないけれど盗難は頻繁に起こり“G”もいる。若くて好奇心溢れる頃なら訪れてみたかったお店です。2024/11/15
hippos
29
こんな書店が存続できるのはそこがパリだから? パリ(に住む人々の)寛大さというか個人主義があってこそ。ロンドンやニューヨーク、トーキョーではどうだろうか?60年代や70年代ではなくネットカフェすら登場する現代の話なんだと思うと驚きだ。 そういえばギンズバーグの詩集がどこかにあったはず。2020/12/06
ゆずな
20
著者がパリの書店「シェイクスピア&カンパニー」に滞在したときの記録的エッセイ。この書店には二度訪れたけれど、とても素敵な英語書店。書店主ジョージを中心に、書店に滞在する人々や働く人々等と濃厚な日々を過ごす著者。破天荒とも限らないけれど、色んな人たちの人生を読んでいると、わたしももっと冒険してもいいのでは、人生に潔癖すぎるのではという気がしてくる。お風呂とかどうしてるんだろうと思ってたら日本人には耐えられないような話が出てきたり。ヘミングウェイが滞在したシルヴィア・ビーチ時代の元祖店舗も気になる。 2024/09/28
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