出版社内容情報
自然とはなにか、人間とはなにか、いかに生きるべきか――二千数百年におよぶ西洋哲学を一望する不朽の名著、名訳決定版第2巻。
G・W・F・ヘーゲル[ヘーゲル,G W F]
1770?1831年。ドイツの哲学者。フィヒテ、シェリングと並びドイツ観念論を代表する。著書に、『精神現象学』『歴史哲学講義』『法哲学講義』『美学講義』他。
長谷川 宏[ハセガワ ヒロシ]
1940年生まれ。東京大学卒業。著書「ヘーゲルの歴史意識」「格闘する理性」他。訳書フッサール「経験と判断」ハーバーマス「イデオロギーとしての科学と技術」他。
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本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
42
ソクラテス、プラトン、アリストテレスの巻で、ソクラテスとプラトンが分かれている。ということは我々が知っているのはプラトンの方で、ここでのソクラテスはクセノフォンなどが引用されて実在した人物を論じている。さらにプラトンの前にソクラテス派と呼ばれる人物が多数いる。450ページあるので、詳細にひとりひとり扱われているが、そこまで知る必要はないのと、ドイツ観念論っぽい価値判断をするので、参考程度にといったところか。2025/12/28
またの名
12
示せと言われたら全てのことにその理由も反対理由も見つけられるのが豊かな教養なので、善悪をこうした仕方で相対化したソフィストの悪者扱いは無理筋と指摘。ソクラテスを敵に回った民衆やソフィストより凄い人に仕立てたい解説者の道徳的偽善を批判しつつ、新しい原理をもたらしてしまったソクラテス個人が没落する一方でギリシャ国家の既成原理も解体する哲学史のうねりを独創的に解釈。衣服とかどうでもいいことに禁欲しても仕方なく欲望は放棄すべきでない、同一性の体系など哲学じゃないといった合間での議論は、巷のヘーゲル像とだいぶ違う。2017/08/25
amanon
8
哲学科の院修士で、自分は一体何を学んできたんだろう?ついそんな気にさせられた。一応ある程度馴染みのある内容、タームのはずなのに、読んでいても、字面を追うだけで、中身が殆ど頭に入ってこない…というのが正直なところ。それはともかくとして、注釈がないのがやはり気にかかる。ヘーゲルによる哲学史が時代の制約を受けている以上、おそらくその後の研究によって、修正されるべき箇所は少なからずあるはず。ただ、個人的にはとっつきにくいと思っていたアリストテレスが意外と興味深く読めたのが収穫だったか。『形而上学』読んでみるか。2020/05/12
Z
8
良書。この刊は、ソフィスト、ソクラテス、プラトン、アリストテレスを扱う。第一巻は、所謂ソクラテス以前の哲学者であり、自然哲学であったが、ソフィストから、抽象的に自然なり世界なり存在というのを問うのではなく、それを思索する人間の意識(ヘーゲルはそれを自己意識と読んでいる)が問題にされたとし、それを軸に歴史を辿っていく。すなわち「人間は万物の尺度」としたソフィストにはじまり、善という人間知性の目的を建てたソクラテス、そこからイデア論を発展させたプラトン、目的をもちつつそれをもとに対象を形成する活動を捉 2019/10/01
yukihirocks
7
めちゃくちゃ参考になった。読み手としてのヘーゲルの実力(と、到達点としての自負)を体感させられる一冊。個人的に古代ギリシア哲学を読んでいると、そこで用いられる「たとえ」「言い回し」が現代に比べると率直であったり、当時の自然や事物と「素朴に」結びつけて言い表されたり、神々や宇宙と関連付けて語られたりすることが多いので、こちらもイメージとして「そのまま」受け取ってしまうことが起こりがちだと思う。だが、それは「表面的な読み」であり、誤った(短絡的な)理解を導いてしまう可能性さえあるのだと自戒させられた。2026/02/17




