内容説明
超人的な力と鋭い頭脳で難事件を解決する黒服の私立探偵。ただし営業時間は夜間のみ。その正体は―短篇の名手リッチーが生んだユニークな名探偵カーデュラ・シリーズを全作収録した世界初の完全版“カーデュラの事件簿”。さらに「いい殺し屋を雇うなら」「さかさまの世界」など5篇を新訳で贈る。
著者等紹介
リッチー,ジャック[リッチー,ジャック][Ritchie,Jack]
1922年、ウィスコンシン州ミルウォーキー生まれ。50‐80年代に約350篇を発表した短篇ミステリの名手。その簡潔な文体と見事なストーリーテリングは、ヒッチコック、ウェストレイクら多くの目利きから絶賛された。「エミリーがいない」でMWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀短篇賞を受賞。83年没
駒月雅子[コマツキマサコ]
慶應義塾大学文学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
108
カーデュラもの8編、ノンシリーズ5編。カーデュラはヨーロッパの貴族出身という正統派の吸血族。ところでこの作品の設定だと、人間は何回吸われると、吸血族になっちゃうんだろう。ヴァンパイアハンターとの対決の結末には笑えた。ノンシリーズは全編さすがのリッチー。「無痛抜歯法」「さかさまの世界」が特に好みだった。2017/08/21
藤月はな(灯れ松明の火)
78
『米澤屋書店』での紹介で知った本が図書館にあったので早速、借りてしまいました。常に黒服で夜のみ、勤労している、正義感とパワーが凄まじい探偵カーデュラ。その理由は・・・(ヒント:名前は「アーカード」とも変化可)。お馴染み規則にニヤリとしつつ、ヤーノシュさんとの主従関係にほのぼのしてしまう。一族を抹殺してきた因縁の子孫との対決を描いた「カーデュラの逆襲」も元ネタを知っている者としては胸が好く。そして異色の「キッド・カーデュラ」での生活のためとはいえ、一族郎党から皆、反対された理由に爆笑してしまうのだ。確かにw2022/01/16
オーウェン
62
ジャック・リッチーが生み出したカーデュラというキャラ。 実は正体はドラキュラであり、名前もアナグラムをもじったもの。 表紙にも描かれているが、直接作中では言及されない。 左右両方の歯が尖っているとか、食事は1週間に1日でOKだとか、さりげなく描かれていて笑える。 そのカーデュラの登場話と、探偵物語。 夜にしか活動できないので、話も夜のみ。 仲間がいたりだとか、ラストでひっくり返す話もありで、肩の力を抜いて楽しめた。2022/03/19
Yukari
37
初めて読んだ作家さん。 読みやすい作品だったけど、事件解決に無理矢理感があったりとちょっと期待してたのとは違ってたかな…。 設定が設定やから、それをすんなり受け入れれたらもっと楽しく読めたのかもしれない。2018/03/22
stobe1904
36
【ジャック・リッチーの傑作短編ミステリー集】 吸血鬼ゆえ、夜しか営業しないカーデュラ探偵シリーズとその他ノンシリーズ短編の組み合わせで成り立っている。短編ながら切れ味はいつもながら抜群である。個人的にはノンシリーズの「無痛抜歯法」が秀逸だと思う。未訳もの、絶版となっているものなどぜひとも読みたいのだが叶うだろうか?★★★★☆2016/06/18