出版社内容情報
自称発明家がタイムマシンで殺し屋の犯行現場を目撃したと語る表題作ほか、『このミステリーがすごい!』第1位に輝いた名短篇集。
内容説明
殺し屋の前に自称発明家が現れた。自分の発明したタイム・マシンで、殺害現場を目撃したという―表題作「クライム・マシン」、妻の消失に秘められた巧妙な犯罪計画を描くMWA賞受賞作「エミリーがいない」ほか、全14篇。軽妙な語り口に奇抜な発想、短篇ミステリの名手ジャック・リッチー名作選。
著者等紹介
リッチー,ジャック[リッチー,ジャック][Ritchie,Jack]
1922年、ウィスコンシン州ミルウォーキー生まれ。50‐80年代に約350篇を発表した短篇ミステリの名手。「エミリーがいない」でMWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀短篇賞を受賞。83年没
好野理恵[ヨシノリエ]
早稲田大学第一文学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
財布にジャック
53
このミスで過去に上位にランクインしていたのを見かけたのですが、今回が初読みです。短い中にまぁよくこれだけのオチをと感心する作品のオンパレードでした。表題作の「クライム・マシン」もさることながら、個人的には「歳はいくつだ」「日当22セント」「切り裂きジャックの末裔」が好きでした。短編でもこんなに凄い作家さんと出合えて、ちょっと得した気分です。2011/05/22
Small World
41
14もの短編・掌編が集められた作品ですが、たしかに無駄がなく面白いです。「エミリーがいない」なんかも好きですが、あんまり短編集を読まない自分としては、シリーズ探偵みたいのが出てくると嬉しかったです。特に2作に出てくるターンバックル刑事が気に入ってて、長編wでも読んでみたいと思いました。(このミス2006海外編1位作品)2018/12/08
ハタ
40
全14篇の物語はどれも個性的な趣旨があり、内容を把握しやすい文章と合わせて「短編」ととても相性が良い内容でした。表題作クライム・マシンを筆頭に、意外な結末がコミカルに用意されており、内容が殺人・犯罪等の重いテーマでも、どこかスラップスティックのようなドタバタ感を思わせる流れは、著者の独特の世界観の作り方と題名に帰結するのではと読後考えました。オススメは「クライム・マシン」「切り裂きジャックの末裔」「記憶よ、さらば」2015/08/06
うまる
39
短編ミステリ、14編。タイムマシンが出てくる表題作が読みたくて入手しましたが、名作選とあってどの話も面白いものばかりでした。無駄な描写が一切なく、起承転結がキチンとしていて小気味良いオチ、短編のお手本という感じです。犯罪心理と犯罪の手口が絡んだ話が多くてとても興味深く楽しめました。一番好きなのは"日当22セント"。こういう最後にフフッってなるオチが大好きです。"エミリーがいない"やほぼ会話のみの"旅は道づれ"も良かったなぁ。この感じだと、ついでに買った"カーデュラ探偵社"も期待できそうで楽しみ♪2020/03/03
harass
39
積ん読消化四冊目。50年台から80年台に活躍した短編ミステリー作家の傑作選。今月に入り600ページ近い分厚い本ばかり読んでいたので実に新鮮だった。14編の短編は無駄がなく職人技の完成度が高いものばかりだ。2006年このミス海外部門第一位初の短篇集。2015/05/10