内容説明
銀河バイパス建設のため、ある日突然、地球が消滅。どこをとっても平凡な英国人アーサー・デントは、最後の生き残りとなる。アーサーは、たまたま地球に居た宇宙人フォードと、宇宙でヒッチハイクをするハメに。必要なのは、タオルと“ガイド”―。シュールでブラック、途方もなくばかばかしいSFコメディ大傑作。
著者等紹介
アダムス,ダグラス[アダムス,ダグラス][Adams,Douglas]
1952‐2001年。英国ケンブリッジ生まれ。1978年BBCラジオドラマ「銀河ヒッチハイク・ガイド」脚本を執筆。翌年、この脚本を小説化した本書がベストセラーとなり、小説は全5冊のシリーズとなった
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
506
タイトルからも想像されるように、徹頭徹尾きわめて軽快な高速スキップSF。比喩的に言うならばSFの純文学(私がイメージするのはA・クラーク、ル=グイン、神林長平等)に対して、訳文の軽さも相まってライトノベル(実は読んだことはないのだが)といった趣きか。空間的なスケールは大きいが、この作品が「我々はなぜ存在するのか?」といった問いかけに答えることはない。否、そもそもそうした問いかけ自体がナンセンスなのだ。私がSFに求めるものとは違うが、こうした物語をいわばファンタジックに楽しむ感覚はわからないではない。2015/10/09
Tetchy
300
非常に読者を選ぶ文体とストーリー運びだ。ダグラス・アダムスは読者の想像の斜め上を行く、奇想を随所に凝らして奇妙な宇宙譚を紡ぎ出す。とにかく意外性の連続で物語は展開し、腑に落ちないまま、物語は閉じられる。そして2巻目の舞台となる“宇宙の果てのレストラン”に進路を目指すことになる。ガーディアン紙が必読の1,000冊の1つに本書を選んだ意味は正直この1冊を読んだだけでは解らなかった。本書に挟まれる過剰なおふざけとも云えるアダムスのギャグのセンスがイギリス人には大いに受けたのかもしれない。2巻目以降に期待したい。2016/05/27
Miyoshi Hirotaka
187
銀河ハイウェイの建設予定地となった地球。立ち退き命令は4光年先の星に50年も前から掲示されていたが、人類は気付かなかった。ところが、イルカは地球の破滅をずっと前から知っており、警告を与えていたが、そのメッセージも伝わらなかった。あっさりと取り壊された地球のただ一人の生き残りがガイドブックの記者とともに銀河をヒッチハイクする奇想天外な物語。万物についての究極の疑問が解き明かされ、不可能に近い偶然を一時的に可能にしてしまう装置が登場。作品にちりばめられた皮肉が面白い。テンポの良い展開にDon’t panic。2015/08/30
青乃108号
166
面白い人には面白い本なのだろうが、どうも俺には面白さが良く伝わって来なかった。いや、面白い部分もあったんだけど。うつ病ロボットの厭世的セリフとか突然出てきて突然爆発するクジラとか。でもまあ、何も考えず読んでる分には楽しかった。ドタバタ、ワチャワチャした雰囲気も嫌いじゃなかった。だから、きっと読んで良かったんだろうと思う。そう思いたい。2021/09/03
まふ
136
バイパス道路建設のため我が家をつぶされそうになってブルドーザの前で寝転がって反対していたアーサー・デントはいつの間にか変な連中と宇宙への旅に出され、地球は破壊されて消滅している、という設定が面白い。重度憂鬱症のマーヴィンというロボットや破壊された地球の複製を設計しているスラートバースファースト老人も良い。その他、人間の生きる意味を750万年かけて解いたコンピュータの答えは「42」という数字であることなど、人間社会の問題をもっともらしくふざけ飛ばして語る見事な技がこの作品の強みであると感じた。G1000。2023/07/13