内容説明
20世紀の英国圏SFを年代別に集大成したシリーズ第6巻は、現実の世界がSFと化した時代、1990年代編!現代SFの最先端を行くイーガンの新訳「しあわせの理由」、シモンズの名作『ハイペリオン』の原型「ケンタウルスの死」、マコーリイの表題作ほか、バクスター、ソウヤー、スティール、マクドナルドら21世紀SFの巨匠となるべき作家たちの饗宴全11篇。全6巻完結。
著者等紹介
中村融[ナカムラトオル]
1960年生まれ。中央大学法学部卒。英米文学翻訳家
山岸真[ヤマギシマコト]
1962年生まれ。埼玉大学教養学部卒。英米文学翻訳家
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yuichiro Komiya
16
イーガンの「しあわせの理由」が面白かった。人のしあわせは脳内物質で決まる、では悲しかったり、将来が不安だったりする時でも、エンドルフィンがドバドバ出ていたら幸せになれるはず⁉︎僕も幸せを調整できるコントローラーが欲しい。後、ダンシモンズの作品も面白かった。先生のお話、あんな所で退任してしまったら、子供達も気が気じゃないだろうな。2018/02/10
青緑
11
最終巻。SFの流れと自分の好み(1〜2巻あたりが好き、サイバーパンクは苦手)がはっきり分かって楽しいシリーズだった。 この巻だとグレッグ・イーガンの「幸せの理由」が一番面白かった。2019/06/19
けいちゃっぷ
9
『20世紀SF』もようやく最終巻にたどり着く。 既読の「軍用機」「しあわせの理由」「遺伝子戦争」はどれも良いのだが今回はパス。 それらを除いてもバラエティに富んでます。 良く分からないが80年代に吹き荒れたサイバーパンクも嵐も落ち着いたのだろうか。 しいて挙げれば「平ら山を越えて」と「キリマンジャロへ」がベタっぽかったがよかた。 てことはビッスンの奇想コレクションは買ってないんだね(初読だから)。 498ページ 2013/07/25
ろびん
8
既読だったけれど、やはりイーガンが頭抜けて好きですね。2020/02/14
やすお
8
1990年代と言えば、日本ではバブルの絶頂期を迎え、そしてその後の失われた20年が始まる頃である。このアンソロジーを読むと、日本の事情は関係なく(当たり前だけどね)、新しいSFを構築していった時期なのかもしれない。しっかりと当時の科学をベースにし、フィクションを構築する。もちろん、現在から近いので、馴染みがある作家や作風が多いので、しっかりと自分の中に入ってくる。どの作品も個性的で面白い。 2018/06/08