河出文庫<br> 20世紀SF〈4〉1970年代―接続された女

河出文庫
20世紀SF〈4〉1970年代―接続された女

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  • サイズ 文庫判/ページ数 490p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309462059
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

20世紀の英語圏SFを年代別に集大成したシリーズ第4巻は、新旧あらゆるタイプのSFが百花繚乱のごとく現れた、成熟の1970年代編!ティプトリーJrが超絶的技巧を駆使して描いた、SF史上屈指の傑作「接続された女」、ル・グィンの新訳、ビショップ、ラファティ、マーティンによる、いずれも名のみ高かった本邦初訳作品3篇ほか、充実の全11篇。

著者等紹介

中村融[ナカムラトオル]
1960年生まれ。中央大学法学部卒。英米文学翻訳家

山岸真[ヤマギシマコト]
1962年生まれ。埼玉大学教養学部卒。英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

maja

19
1970年代のSF短編集を再読。ティプトリー・ジュニアの表題作「接続された女」。マイクル・ビショップ「情けを分かつ者たちの館」バリントン・J・ベイリー「洞察鏡奇譚」フリッツ・ライバー「あの飛行船をつかまえろ」等など面白い。お気に入りは、孤独な少年に物語の扉が開く、博士の言葉が響くジーン・ウルフ「デス博士の島その他の物語」。時間層のなかの永遠、クリストファ・プリースト「限りなき夏」。2021/07/02

やすお

13
アンソロジーシリーズ「20世紀SF」の第4巻。個人的には4巻まで読んできて、ようやく自分に合う年代に出会えたという感じだ。時代が比較的新しい(それでも40年くらい前)ので、現代の思考に近いからかもしれない。面白かったのは「接続された女」「デス博士の島その他の物語」「逆行の夏」といったところ。2017/06/11

けいちゃっぷ

13
このあたりから屁理屈が増えて読みにくくなるかも、と危惧してましたがそうでもなかった。 「接続された女」は山田正紀さんの『電脳少女~アイドロイド・ユイ』を彷彿させる。 いくつか「これはちょっと」というのもありましたが全体的に粒よりの作品が並んでます。 80年代90年代も楽しみ。 490ページ 2012/07/08

hit4papa

9
編者曰く「求心的な動きが起こらず、商業的な繁栄を享受しながら、内省を深めていった」70年代の作品集。ジェームズ・レィプトリー・ジュニア、ジョン・ヴァーリィ、ジョージ・R・R・マーティンの作品が掲載されているだけで大満足です。小難しい作品もありということで、全体としてわかりやすい第3巻の方が好きですね。面白かったのは、マイケル・ビショップ「情けを分かつ者たちの館」、マーティンの初訳「七たび戒めん、人を殺めるなかれと」(ティプトリー「接続された女」や、ヴァーリィ「逆行の夏」は他の短編集で読めますから)

roughfractus02

7
改変可能な時空では肉体も、性も、歴史も、現実と虚構も、ヒトとヒト以外の生物の言語も交換可能だ。美少女の肉体に繋がれて満足する醜い少女、機械の身体を求める者、自分を産んだ母が元父であり、女性優位の世界に男性が訪れる状況、第二次大戦が起こらず飛行船が飛行機のように空を飛び、冒険物語の人物が現実に現われ、アリ語やペンギン文学が研究される世界は、交換不能なものを可能にする虚構の力に満たされる。が、改変不能なものもある。宗教が交換不能ゆえに対立と争いに世界を巻き込む時、虚構の力も減退し、物語は現実の戦争を仄めかす。2017/06/22

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