内容説明
人間、どう生きるか、どのようにふるまい、どんな気持で日々を送ればいいか、本当に知っていなくてはならないことを、わたしは全部残らず幼稚園で教わった。人生の知恵は大学院という山のてっぺんにあるのではなく、日曜学校の砂場に埋まっていたのである。―数千万のアメリカ人が、なるほどと手を叩き、日本でも大反響を呼んだ感動のエッセー集。
目次
わたしの生活信条
折りふしの発見
愛のかたち
幸福の足し算
親しき隣人
人の居場所
クリスマス
自由な心
生と死のバランス
夢見る心〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Miyoshi Hirotaka
44
妻は私と結婚する前は幼稚園教諭。学歴と知識では私が勝るが、人生の知恵は大学院という山の頂上にはなく、幼稚園の砂場の中に埋まっていた。人間、どう生きるか、どのようにふるまい、どんな気持ちで日々を送ればよいかなど、本当に知っていなくてはいけないことは先生が日々易しく教えていた。その中から何かを取り出して知識の進んだ大人向けの言葉に置き換えてみれば、家庭生活、仕事、世間一般でそのまま通じる。その中で最も大事なことは金魚もひまわりもいつかは死ぬ。人間も死からは逃れられない。これは、妻自らが最後に私に教えたこと。2014/09/11
イプシロン
24
(再読)『22才の別れ』という歌があるが、この作品は私にとって『22才の出会い』ともいうべき一冊。初読いらい、頁を繰ったことはなかったが、タイトルにある精髄を忘れたことはない。再読した今思うのは、精髄を文字や言葉にして語るのは不可能であるというため息に似た感慨だ。それぞれが体験したことにしか人生の真実がないのと同じように、それぞれが読むことでしか感じられないものがある。実際に「わたしは人魚」のように振る舞えるかといえば、困難極まりないだろう。すべてを受け入れる。文字にするのは実に容易なのだが……。2018/01/08
ひさしぶり
19
第一話がそのまま本の題名となってるだけで説教じみた読み物ではなかった。俗にいうエッセーで*怒鳴り声で生気を傷つける*クレヨンのなんたるかを理解した子供*大人の隠れん坊*悪いことは滅多にないからこそニュースなので世間一般は人間は信用できる 等。本が古いせいか鼻がムズムズして集中できずじまいでした。^^;2021/11/09
Tatuyuki Suzuki
8
家にあったので読んでみた 短編な話なのでも読みやすかった。2024/03/23
武井 康則
6
牧師や教師を経験したヒッピーやビート世代と呼ばれる人物が著者。麻薬やフリーセックスは取り上げず、あの頃の自由な信条を重視する人柄は、新聞の日曜版のエッセーとか感想文にぴったりの内容を書いている。身近な好人物を取り上げ、自分のちょっとした失敗を笑い、反省する。誰に対ても推薦できる、古き良き、理想的なアメリカを文章で体現している。学校教育制度批判は全くない。2025/07/07