河出文庫<br> 贋作

河出文庫
贋作

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  • サイズ 文庫判/ページ数 443p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309461267
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

パリ近郊のトム・リプリーのもとにロンドンの画廊から連絡が入った。天才画家ダーワットの個展を前にして、贋物を掴まされたと蒐集家が騒いでいるのだという。それも当然のこと、トムと画廊の仲間でダーワットが数年前に死んだことを隠し、贋作を作り続けていたのだ。トムは画家に変装して記者会見で健在ぶりを示すが、そこに当の蒐集家が現われ…。名作『太陽がいっぱい』に続くリプリー・シリーズ第二弾。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Y2K☮

41
古本市で入手。あの「太陽がいっぱい」の続編。「贋作」とはこの物語の主題であり、罪を犯した挙句に友の遺産や妻の財産に頼って貴族的な生活をしているトムの己に対する自嘲の声。著名な画家ダーワットの贋作をするバーナードはもう一人の主人公。ダーワットに劣らぬ才能があるのに誰からも認められない。トムだけが認めている。彼も又犯罪者であるが故に並外れた才能を正当に評価されないから(ちなみに「太陽が~」の原題はThe Talented Mr Ripley)。サスペンス作家としてしか評価されない事に不満だった著者の心の声か。2016/02/12

井戸端アンジェリか

19
リプリー読了から1年以上経ってやっとトムと再会できた。嬉しすぎてもったいなくて読みたくなかった。でも読んだけどね。 邦題タイトル「贋作」ブラボー!!!!!誰この題名考えたの、無言で近づいていきなり後ろからバンバン肩を叩きたい。 最初の最初から何もかもが贋作だよね。いつになったら上塗りをやめられるんだろうか。これからもハラハラしながら見届けます。2016/09/24

リプリー

4
前作で運良くディッキーの遺産をかすめ取ったリプリー。今作では結婚もして、豪邸に住み、家政婦もいるというリッチな生活をしています。そんな彼が、前作と同様にある時は衝動的にある時は打算的に殺人を犯し、警察の激しい追求を受けます。しかし、それでもリプリーは持ち前の頭の回転の速さと運の良さですり抜ける。ハイスミスの乾いた文体が緊張感をより一層高め、読んでいるこっちが憂鬱になり、まるで警察に追われてるんじゃないかと錯覚するくらい面白かった。2012/03/04

のこのこ

3
リプリーシリーズの二作目。面白い。 前作よりも金銭的・精神的に余裕のあるリプリーは今作でも完全犯罪を成し遂げるが、他人の感受性や品性に対する感度が高まっているように感じた。前作と地続きの部分もちゃんとありながら、風景もキャラクターも変化していて楽しませてくれる。 聖人で芸術家のバーナードとダーワット、低俗なエドやジェフなど、分かりやすい登場人物のなかでリプリーは私にとっては最も軽蔑と警戒に値するタイプの人間なはずなのに、どうしてこんなに共感できてしまうんだろう。2026/07/10

ニミッツクラス

2
リプリーの2作目。「危うい」感じはいささかも衰えていない・・いや、全開。リプリーの選択肢は多くはないし、当初はエロイーズや仲間にも秘密だったせいもあるが、やっぱりそうなるのかと。物語はタイトル通り。頭しぼって大団円の結末なんてほど遠く、ヤルときは自分一人というリプリーの哀しい孤独の生き様がハイスミス的結果オーライで描写されている。リプリーの変装は納得し難いなぁ。二人目の死体の処分もそんな方法でも良いのかと、お国柄に驚愕。エロイーズは「仲間」じゃないから、その微妙な夫婦関係も伝わってくる。★★★★☆☆2011/07/21

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