内容説明
銃も棍棒もなしで、丸腰のまま保安官補をつとめる、一見物静かな男ルー・フォード。ウェスト・テキサスの小さな田舎町を牛耳る建設業者コンウェイを義兄の仇とねらう彼は、売春婦を利用し復讐をとげるが、そのために殺人をくり返すこととなり、心に巣食った病的な暴力癖をあらわにしていく…。たしかな人間観察眼によって描かれる「現実味のある異常者」の物語。“安物雑貨店のドストエフスキー”と称され、再評価の声の高いジム・トンプスンの幻の代表作、ついに登場!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぼっせぃー
4
70年前に書かれたとは思えない生き生きとした人間小説。優しく穏やかに見せておいて行き当たりばったりで人を殺し、行き当たりばったりでありながら筋だけは通っており、筋は通っているが言動が不一致で、言動は不一致だが気が狂ってはおらず、気が狂っていないのに気が狂っていると思い込もうとしている、しかし気が狂っていると思い込むには教養と理性が勝ちすぎており、教養と理性が勝ちすぎているから自身を抑圧しつつも優しく穏やかに振る舞わざるを得ない。細部で狂っているが全体として狂っていないから生きていけるのだ、おれたちみんな。2022/10/16
グラコロ
3
20数年ぶりに読み返したけれど、経年劣化はまったく感じられない。罪の意識が皆無な異常者の振り切れかたが、ある意味小気味いい。ただ、あちこち意味不明な箇所があり、もう一度新訳か、いっそのこと原書を読もうかと思う。2017/02/19
tepp yone
2
本作と並んで評価の高い「死ぬほどいい女」を先に読んでそこまで良いとは思わなかったが、これはすごい。幼少期の衝動や彼の社会性だったり細部の描写が丁寧で安っぽくないし、女を素手で殴り殺す生々しさは鮮烈。2026/01/29
Mark.jr
2
もしかしたら、この人の作品は小説よりも映画のへの影響の方が強いのかもしれない。2024/03/31
bapaksejahtera
1
異常性格の殺人鬼保安官補の物語。さながら口数多き机竜之助なり。2019/10/26
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