出版社内容情報
【目次】
内容説明
伊豆七島の御蔵島が米軍射爆場に内定した―それは、平和でのどかな島に住む島民たちに突然知らされた驚くべき通知だった。やがて射爆場建設計画により島民の心が分裂する。思いもよらぬ大事件に翻弄される島民の苦悩と哀歓を、島への深い愛着を持つオオヨン婆を中心に描く傑作長編。
著者等紹介
有吉佐和子[アリヨシサワコ]
1931年和歌山県生まれ。幼少期をインドネシアで過ごす。東京女子大学短期大学部英語科卒。56年「地唄」で芥川賞候補となり、文壇デビュー。『華岡青洲の妻』(女流文学賞)、『和宮様御留』(毎日芸術賞)など、さまざまな分野の話題作を発表し続けた。84年急性心不全のため逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
82
便利な東京で暮らしていた時子が島に戻り結婚したのには驚いたけど、最後はやっぱりそうなるのか。外の世界を知った若い世代が閉塞感に満ちた島での生活を選ぶというのは並大抵のことではないな。経済成長から置き去りにされたような島に降って湧いた「米軍射爆場」建設計画。重そうな物話で大丈夫かなと思ったけど、さすが大作家さん。とても読みやすかった。読了後何かが胸に残る、そんな一冊だった。 2026/07/13
となりのトウシロウ
72
伊豆七島の御蔵島。小さな離島という過酷な自然環境で共生する島民達。島に仕事がなく東京へ働きに出る若者。そんな島を米軍の射爆場にするという計画が突然持ち上がる。戸惑う島民達、反対する者、移転補償費を当てにする者、ノスタルジーを感じる島を離れた者、島に営々と先祖代々紡がれてきた伝統を重んじる老人達。平和な共同体が分断される島民達の葛藤が描かれている。驚くべきはこの作品が50年以上前に描かれていること。確かに島民の暮らしは昭和の時代だが、描かれる国家と地方という視点は米軍基地や施設の移転問題は今もある。2026/06/21
Lara
60
「戦争を放棄した日本に、なぜ射爆場が?」伊豆七島御蔵島で、オオヨン婆が怒った。射爆場移転問題のみならず、御蔵島が抱える問題は多い。オオヨン婆は、皆の賛同を得ようとする。時代の流れと共に、有り様も変わって来る。方やオオヨン婆は、孫、ひ孫の為に、ツゲを植え続け2万本を超える。これは、実在の人物が居るのか?オオヨン婆の個性が光る、「オオヨン婆物語」。とても面白く読めましたが、きちんと主張あり、さすがに、有吉佐和子氏です。 2026/05/14
ちえぞう
2
東京都民でありながら、私にとって御蔵島(みくら)は読み方すら知らない島だった。アメリカ軍の射爆場が水戸から移転するかもしれない、内地の島出身、杉子さんの手紙に書かれていた奥様みたいな考えの人が大半だ。自分の近くになければ安心、臭いものには蓋をしろって。安保問題は今も変わらず、放射能のゴミを押し付けようとしていたり、ほんといつもだけれど、有吉佐和子先生の作品は全然古くならない。高橋源一郎先生の解説も最高だった。平均年齢が40代前半。勝ったよ、オオヨン婆って。私も統計見たけど、人口も微増。2026/05/31
AKIKO
2
2日間でいっきに読了。 失業対策の仕事で生計をたてるしか仕事がなく、若者は都会へ便利な生活へ流れて、一度経験すると島に戻ることはない。 有吉佐和子さんの作品は、都市一極集中、嫁姑問題や介護問題、女性が大切に扱われない問題など、昔も今も変わらない社会が取り上げられている。2026/05/08




