出版社内容情報
【目次】
内容説明
ぼくの青春時代は、暗かった。が、着実に一日一日を生きてゆけば、自然に道はひらける―。病魔に冒され、死線を彷徨った若き日より、見出された一条の光。瑞々しい筆致で真の生き方、そして人間の在り方を問う表題作他、未発表小説「新月」をふくむ未収録作品全九篇、初の文庫化!
著者等紹介
吉村昭[ヨシムラアキラ]
1927年、東京生まれ。学習院大学中退。在学中に同人誌「学習院文芸」(後に「赤絵」)に参加し、作品を発表する。66年『星への旅』で太宰治賞、73年『戦艦武蔵』『関東大震災』などで菊池寛賞、79年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、85年『破獄』で読売文学賞、芸術選奨文部大臣賞、同年『冷い夏、熱い夏』で毎日芸術賞、94年『天狗争乱』で大佛次郎賞受賞。2006年7月、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
128
吉村さんの初期中篇・短篇集。未発表「新月」収録とあるのも嬉しい。全9話。なんか凄い。情けない感想だが、正直言ってそうとしか言えないのだから仕方が無い。独特の吉村さんの世界(勿論褒めてます)ざわっとしたり、ぞくりと苦さがあったり、ほぅこう来たかもあった。中篇の表題作ではもどかしく、どうなる?、もやっとしていたら、大成せずの日々を送っていた主人公がある日ある時気付くのだ「額に汗を流し、大地にしっかりと足をふみしめて歩くことのほうが、人間本来の生き方であるにちがいない」実感としてそう思える私は老いたのか(苦笑)2026/02/01
あすなろ@no book, no life.
97
吉村昭氏の初期中短編に未発表作品を加えて刊行する河出文庫の2巻目。前巻の満足感から今回も即購入し読了。引き続き僕の中では純文学+松本清張氏の世界に近しい。前巻解説にて吉村氏は短編だと記されていたが引き続き良く分かる。また、ラスト中編の表題作も惹き込まれる。そしてその主人公の夢が実現はされたがそれ以上にならず訣別するラストも清々しいのである。明日からも頑張ろうと読者に力を自然体で与えてくれた。2026/01/18
mondo
42
2025年12月に出版された吉村昭の中短編集。帯には新発見!未発表小説「新月」収録!とある。河出文庫創業140周年を記念した最新刊の一冊だ。いずれも1954年から1971年という吉村昭の初期に当たる中編短編集で、未発表小説の新月を除いては、いずれも雑誌等に掲載されていたものだ。1970年頃と言えば、戦艦武蔵を出版し、年に2篇位の長編歴史小説を書いている頃で、同時期に様々な雑誌に中短編小説を書いていることに改めて、吉村昭の創作の熱量に驚かされた。2026/01/08
hirayama46
6
吉村昭の初期作品集。「フェアレディ」という雑誌もはじめて聞きましたが、66~88年に刊行されていたとのことなので、かなり息の長い雑誌だったのですね。いまでも大宅壮一文庫あたりに行けば閲覧は出来るようです。そんな初出の中篇「雪の火祭り」は1970年連載開始なので、いかにも昭和っぽいメロドラマが展開されていて興味深かったです。「媒酌人」「或る夫婦の話」は連城三紀彦っぽさのある掌編で、知らない一面を見た気がします。2026/01/29
kiiseegen
6
未発表「新月」を含む8つの短篇と、表題の中編を収録。2025/12/13
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