出版社内容情報
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
124
吉村さんの初期短篇集。私が生まれる前から昭和60年(1985年)までの14作品。想像通りの読み応え。短篇なのに?短篇だからこそ?その突き付け感と印象深さよ。くぅ・・と飲み込む言葉が苦しいのさえ心地よいのは流石。初期の時からもう「ザ・吉村昭」だったのだな。2026/02/13
あすなろ@no book, no life.
85
故吉村昭氏の最新刊。発掘短編という一編を含んだ短編集。氏が大事にし、長編との間の竹の節目と語っていたという短編が初期の物を中心に収録されている。書店で面陳されていて即購入。氏の男と女の情念とそれに絡む死が様々に描かれており、惹き込まれたのである。氏の史実小説等だけではなく、本来の筆力と技を味わい、若さをも味わえる貴重な一冊だと思えたのである。優れた短編は強烈な消えぬ印象をその後読者に残す物だと僕は思うが、こちらにはそうした力があった。ファンならずとも是非。2025/11/03
mondo
55
桑原文明氏による解説の後に、初出一覧があり、14篇の短編がいつ書かれたものかが分かる。それをみた上で、読んでみると、あらためて吉村昭が送っていた時代背景やその頃に書いていた作品が思い起こされ、久しぶりに対面する吉村昭を深く味わうことができる。 「再会」は、最初に映画化された「密会」を思い起こさせる。初めて読んだという気がしない。いつの間にか、作品の中に没入している自分に気付く。また、学習院文芸時代に書いた作品には驚かされた。既に作家吉村昭が誕生していることに気付かされる。特に最後の「雪」は秀逸ですね。2025/12/23
ポロン
40
初読作家なので、比較はできないが、おいそれと人生を渡ってきた人ではないようだ。昭和の時代を経て、自らも長い年月の中に、隙間を埋めるような小さなエピソードを夢の中に見るように、思い出すことがある。まるでなかったように悲しい響きを封印したくなる瞬間が、生を形作る。本書はどこまでも微暗く、人間の弱さを表には出さないものを浮き上がらせている感じがする。これは実際にあったことだと感じる瞬間が続いた。今こうして何の心配もなく生きることに罪悪感を覚える平穏な暮らしに感謝したい。そんなことを考えさせられた読後感であった 2026/03/02
アドソ
15
長篇の方が有名な印象だけど、まだまだこんなに面白い短篇があったんだ。作者の生前に編まれたものなのか、最近のコンピレーションなのか判然としないが、人が死ぬまで、あるいは死に瀕する状況を軸として進む物語が集められており、表題はそのコンセプトを直截的に表している。いろんな死に方があるもんだ。作者は自ら死に瀕する体験をしているだけに、描写がリアル。どれも甲乙つけがたいほど緊迫感に満ちていたが、最後の『雪』で少しだけ緊張が和らいだのが救いだ。2026/01/30
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