出版社内容情報
【目次】
内容説明
「街にはみんなしみついている。あらゆる人のあらゆる思いが至るところに残像みたいに残っている。」今だからこそ語れる子ども時代、デビュー当時、そして父の死―。あの人と別れたあの場所、あの人が笑っていたあの場所、街たちに眠る記憶がゆるやかに甦る。東京から時代を描き出す〈ほぼ自伝〉エッセイ集。書き下ろし「二度と行けない場所たちへ」を新たに収録。
目次
甲州街道はもう春なのさ
この世の果て
初恋の謎
階層をたどる道
デッドエンドの思い出
もしもし下北沢
暮らしているのに住んでない
とても遠いところ
ほんとうの地図
成孔さんとあの窓と
文庫書き下ろしエッセイ 二度と行けない場所たちへ 2025春
著者等紹介
吉本ばなな[ヨシモトバナナ]
1964年、東京生まれ。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。著作は30か国以上で翻訳出版され国内外での受賞も多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あやめ
4
昔はこの著者大好きで、心救われたり響く言葉も多かったのだけど、いつからか読んでいても、なんだか「ふーん」てしか思えなくなってしまった。自分の感覚も変わってしまったのだろうか?自分の意に沿わない相手には、自分は悪くない、相手がひどいってスタンスが受け付けられなかった。2025/08/17
ゆきんこ
3
街や、そこへと続く街道。住んでいた家、周りの風景、よく顔を出していた馴染みのお店。親しかった誰かとの思い出や、ひとりぼっちで過ごした記憶、いろんな物語が、街には溶け込んでいるものなのだな、と読み終わってしみじみ思う。家族や友人、いろんな人や、愛犬、そういった大切なものとの、いろんな形でのお別れが、随所に出てくる。悲しいことも嬉しいことも、静かに息づいて、街の風景の一部に溶け込んでいくのかもしれないな、と。2025/07/23
じぇーん
2
よしもとばななさんって本人が言うほど変わってはいないと思う。同じくらいのことを思って心の中で呟いて暮らしているけど市井の人たちはそんな感情は流れてしまって文章にとどめることができないだけ。2025/06/29