内容説明
油屋の放蕩息子・河内屋与兵衛。だらしないのに愛嬌だけはあり、父母や妹、幼馴染のお吉もついほだされていた。しかし目先の借金に追い詰められた与兵衛は、狂気の殺人者へと豹変し―。いつの世にも存在する、愚かなる青年の幼い暴虐が、血と油にまみれてぬらりと光る。近松門左衛門の人気浄瑠璃を、桜庭一樹の画期的現代語訳で。
著者等紹介
桜庭一樹[サクラバカズキ]
1971年島根県生まれ。99年、ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。2007年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞、08年『私の男』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ナセル
3
歌舞伎の演目で名前はしっていた作品。ああ、こんな話だったのか… 2025/02/23
いちこ
0
浄瑠璃を読んだのは初めてかも。口語訳ながら口上とかは古い言い回しのままで、ところどころ意味は分かりにくいけど頭で音読したときのリズム感楽しかった。ストーリーそのままのタイトルだけど途中までは明るい話。めちゃ笑えて楽しかったのにグロエンドで終わる落語みたいだなと。要領悪いちょっと可哀想な半グレって感じの主人公、現代ならグレーゾーンとか言われるのかな。今でもこういう事件は起こりそうだなと思ってしまった。2025/03/17