内容説明
SFオタクから人生は学べるか?一つのくりまんじゅうが五分ごとに二倍に増えていったら、宇宙はどうなるか?SF、怪獣映画、変身ヒーローものから、疑似科学、オカルト、メディア、自作の裏話、私生活、そして人類の未来まで。「本当に面白い文章だけを厳選」、書き下ろしも加えた著者唯一のエッセイ集。
目次
第1章 こんな小説を書いてきた
第2章 トンデモを見れば世界が分かる?
第3章 大阪府で三番目ぐらいに幸せな家
第4章 これがマニアの生きる道
第5章 人生で大切なことはすべてSFで学んだ
第6章 未来に向かって
著者等紹介
山本弘[ヤマモトヒロシ]
1956年、京都府生まれ。作家。京都市立洛陽工業高等学校電子科卒業。ゲーム制作、漫画原作、アンソロジー編集など、幅広い分野で活躍。「と学会」初代会長(2014年に退会)。78年、「スタンピード!」で第1回奇想天外SF新人賞佳作に入選。87年、ゲーム創作集団「グループSNE」に参加し、88年、『ラプラスの魔』にて小説家デビュー。2011年に『去年はいい年になるだろう』で第42回星雲賞日本長編部門、16年に「多々良島ふたたび」で第47回星雲賞日本短編部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Aminadab
26
エッセイ集。山本弘(1956~2024)はSF作家。『トンデモ本の世界』(95)の〈と学会〉主催者として知られ、代表作は2000年代円熟期の『紙は沈黙せず』と『アイの物語』。この文庫は追悼出版だが親本は2007年。〈と学会〉本の序文等が多いが(私は原本で全部既読)、第1章のゲーム業界時代回想と第3章(書き下ろし)の家族話は合わせて自伝として読める。文庫にはボーナストラックとして町山智浩(1962~)の解説がついていて、単行本として『トンデモ本の世界』を企画したのは自分だったと明かしている。えっ、私は初耳。2024/06/12
活字スキー
20
【しかし、ドラえもんが打ち上げたくりまんじゅうは、今も宇宙のどこかでゆっくりと増え続けているはずです】……はい、これが有名な古典落語『まんじゅうこわい』のオチですね。嘘です。SFを愛した永遠の15歳、山本弘が遺した唯一のエッセイ集の文庫版。内容は覚えのある部分が多かったが、初出や単行本時点からの時の流れ、そして山本先生が旅立たれたことを思うと万感ひとしお。町山智浩さんの解説も興味深く読めた。SFはいいぞ。2024/06/26
kitten
15
新刊で購入。山本弘さんのエッセイ集で、追悼出版になる。書籍のあとがきが多いから、どこかで読んだ話も多かったな。第三章が書き下ろしで、奥様とのなれそめや子どものことが書かれていて、故人の人柄がしのばれる。この時代にこんなの発表しちゃう人ってすごいよね。奥様、恥ずかしいとか文句言わなかったんだろうか。アイの物語の、「理解できなくてもいい、ただ許容して」ってのは奥様との結婚生活からの導き出されていた、ってのは笑えた。明るい未来を想像したい。人類は、まだ進化できると。2024/06/26
ソラ
11
【読了】D 好きな作家だったが脳梗塞後、もう緻密なSF作品は書けないとのことを知りその後の動向が気になっていたが、いつの間にか亡くなってしまっていたとは…。(この本の帯で訃報を知った)2024/06/23
玉瑛
4
エッセイ集の再販になるのかな?エッセイと言っても既存の本の前書き、後書き、解説の集合体で、なんとも異質な感じがした。山本先生のその時代の頭の中を覗き見ているようでなんとも切なくなる。2024/09/06