内容説明
突然、再就職の採用を断られた男、余命数カ月で敢えて籍を入れた女、金を返してもらえぬ元上司…。都会の片隅でごく普通に暮らす男女が隠していた過去の小さな過ちは、突如ありふれた「日常」を切り裂いていく。何が本当で、何が嘘なのか?じわじわとせり上がる焦燥感に満ちた珠玉のサスペンス。
著者等紹介
佐々木譲[ササキジョウ]
1950年北海道生まれ。79年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞。90年『エトロフ発緊急電』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞、2002年『武揚伝』で新田次郎文学賞、10年『廃墟に乞う』で直木三十五賞、16年に日本ミステリー文学大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わいほす(noririn_papa)
5
遅まきながらファンになり、いろいろな作品を読み始めている作家。今回の短編集は、前半が朗読を前提に書かれたものだそうで、短いながら巧みな構成で余韻を残す。目で読みながら、物語の光景を浮かべつつ朗読されている音声が聴こえてくるようで面白い。またその他の何気ない日常を描いたような短編も、さまざまな事情が明らかになるにつれて、人生の機微と意外な人間模様が映し出されてくる。上手いなあと思わせる大人の短編集。2024/06/07
a.i
5
★★★気分転換に短篇集。さくさく読めてほどよく重めで、全体的に好み。反復、分別上手が良かった。2024/05/18
大福
5
55冊目、読了。 もう少しきっちりと終わってほしかったなと思うものが何作かありました。 そうなると、多分短編ではすまないんだろうな。 淡々とした短編集でした。2024/04/15
Hiroshi Ono
4
本書は内容について全く何も知らず、ただ単にタイトルだけを見てまた道警絡みのストーリーかと思い借りて来たものの、これまでに読んだどの佐々木譲作品ともまるで毛色の違う短編集だったことに驚かされた。微かに村上春樹の短編に似た空気感を漂い取れないこともない。13編の中で好みなのは「迷い街」と「3月の雪」。頭の中で良い短編集だと理解はできるのだけど、これは果たして本当に自分の知っている佐々木譲なのだろうか。 ☆☆☆★★2025/04/07
ざび
4
普段の筆者とは毛並みの違う作品ばかり2024/06/10