内容説明
眼に塩を擦りこまれるような分離戦争から数年後、著者は旧ユーゴスラビアの首都と難民キャンプへ。「民族」と「宗教」による虚構に満ちた分断と、人々の複雑な葛藤。そして背後にうごめく西側諸国の脅威。“民族浄化”の痕跡も生々しい街角を歩き、対話を重ねた先で敗戦国の真実に直面する、著者代表作にして紀行文学の傑作。文庫版書き下ろし「書かれざる「最後の旅」への序文」を増補。
目次
第2部 セルビア/コソヴォ(ベオグラードまで;理念の廃墟;敗戦国の街角;三人の映画人;コソヴォへの旅;アルバニア人の側へ;ロマ;廃墟と奇跡 ボスニア・ヘルツェゴビナ;民族浄化の記憶 クロアチアまで;旅の終わり)
第3部 見ることの塩(ブレスカを食べる人々;記憶の故障)
書かれざる「最後の旅」への序文
著者等紹介
四方田犬彦[ヨモタイヌヒコ]
1953年、大阪府箕面市生まれ。エッセイスト、批評家、詩人。文学・映画・漫画を中心に、多岐にわたる文化現象を論じる。『月島物語』で斎藤緑雨賞、『映画史への招待』でサントリー学芸賞、『モロッコ流謫』で伊藤整文学賞と講談社エッセイ賞、『ソウルの風景―記憶と変貌』で日本エッセイスト・クラブ賞、『白土三平論』で日本児童文学学会特別賞、『翻訳と雑神』と『日本のマラーノ文学』で桑原武夫学芸賞、『ルイス・ブニュエル』で芸術選奨文部科学大臣賞、『詩の約束』で鮎川信夫賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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A.T
21
1999年NATOによる空爆5年後の廃墟「社会主義の純粋な実験場として考えられていた新市街ノヴィ・ベオグラード…ミサイル誤爆によって破壊され、残骸がそのままのビルの周囲を散歩していて奇妙なものを発見…前衛彫刻がいくつも放置され…かつてユーゴスラビアが理念としていた「第三世界」との連帯は、ここに陳列されている前衛彫刻と同様に雨風に晒され、崩れ果ててしまった」民族主義が台頭し、セルビア、コソヴォ、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチアの5国に分裂。憎しみと破壊、とり返せない経緯を知ることになった。2026/03/14
madoque
5
そういえば、世紀末の1999年のヨーロッパはきな臭ささが漂ってた、空港には軍用機が隠れるように駐機していた、20世紀からのジェノサイドはこのときが最後では無かったのだ、と2024/04/03
きょん
2
ユーゴスラビアについては、本当に何も知らなかった。クロアチアに行ってみたいとか言いながら、目を向けることもしていなくて自分に呆れる。2024/08/29
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