内容説明
箕作り、箕直しなどを生業とし、移動生活を事としたサンカ。その生態を直接、また警察関係者から聞き取った、元新聞記者の三角寛による貴重な取材記録。川辺に瀬降って天幕生活を営み、独特の厳しい掟を守って暮らす彼らの、生計、警察や犯罪、事件との関わりを伝える。司法省での伝説の講演「山窩の話」に「元祖洋傘直し」他を大増補。
目次
序話 山窩に憑かれて狸穴がよい
第2話 蛇崩川の蛸入道
第3話 死刑囚よ待て
第4話 山窩の隠密
第5話 吠えない犬
第6話 墓地の幽鬼
第7話 板橋に山窩を瀬降らす
第8話 尼僧のお産
著者等紹介
三角寛[ミスミカン]
1903年、大分県生まれ。本名・三浦守。作家、サンカ研究家。1926年、朝日新聞社入社、説教強盗の報道で話題になる。『夫人サロン』の連載「昭和毒婦伝」で文壇デビュー。「怪奇の山窩」などの山窩小説を開拓し、流行作家となる。62年、「山窩社会の研究」で東洋大学より文学博士号を受ける。映画館の人世坐、文芸坐も経営した。71年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダージリン
3
以前から山窩には関心があったのだが、やっと三角寛の著作を読むことが出来た。もっと社会から隔絶し、一般社会と距離を置く人々を想像していたが、思いの外そういう感じではなかった。独自の掟を持つ謎めいた山窩の人々を軸とした、まさに奇談の数々は純粋に読み物として面白い。相当に脚色が入っているのだろうが、独特の魅力に溢れる面白さがある。2024/03/10
hase45
1
★★★☆☆2025/01/30
inome
0
山窩についてはじめて知った。筆者の語り口がドラマティックだった。2025/03/18
amaken
0
フィクション云々別にしても面白い。 登場するサンカが話す言葉づかいが素朴で良い。 サンカ文学をもう少し読みたくなった。2024/08/11
-
- 電子書籍
- 明治深刻悲惨小説集 講談社文芸文庫